2007.03.13IPドバイ税関による商標登録サービスの開始
ドバイ税関による商標登録サービスの開始
2006年12月24日付にて、ドバイ税関局は、税関における商標登録サービスの開始を発表した。
このサービスは、ドバイ税関局に登録しておくと、アラブ主張国連邦産業省、すなわち商標庁に登録されている登録商標と同一・類似の商標が使用されている無許可製品の輸入を税関にて差止・押収するというもの。
ドバイ税関局で登録すると、全ドバイ国境税関地点の税関職員には、登録に基づいて、海賊品の差止・押収する権利が与えられる。
税関への登録手続には、商標登録証明書と現在使用されている商標見本のみが必要とされる。
- 解説
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UAEから日本に輸出されるもののトップは断然石油。逆に日本からUAEには自動車、電化製品、真珠、貴金属、繊維製品などが輸入されている。
商標は、2002年連邦法No.8(いわゆる商標法)を編入した1992年制定連邦法の修正法にもとづいて保護されているが、税関による登録制度はなかった。今回のドバイ税関局による商標登録制度導入が、首長国連邦ではじめて導入されるものである。
UAEにおける水際対策について調べてみると、「理論的には商標等知的所有権を根拠に、商品を押収する職権を税関は有しているといえよう。ただし、案件が不明瞭な場合、税関は動かないのが普通。換言すれば権利侵害であると追認した裁判所命令を権利者が手にするまで侵害訴訟について滅多に税関が措置を講ずることはないということを意味する」とのレポートがなされており、(「アラブ首長国連邦における模倣品対策水際取締」2005年JETRO発行)とある。
どうやら、今までさほど熱心に税関が措置を行っていたとはいいがたいようだ。
この制度導入によって、税関当局が水際取締につき、より積極的になるものと期待される。
参考:
JETRO アラブ首長国連邦に関する情報
http://www.jetro.go.jp/biz/world/middle_east/ae/ip/
ドバイ税関局のHP
http://www.dxbcustoms.gov.ae/
[出典:JAH & CO. IP]