2007.05.24IPシリア:産業財産権関連法の公布
シリア:産業財産権関連法の公布
商標、実用新案、意匠を対象とする2007年3月12日の法律第8号が公布された。 この法律は、シリアが加盟している産業財産権協定の国際的条件のほとんどに準拠している。適用は2007年4月12日からとなる。
法律の重要な点は以下のとおり。
- 産業財産権システムを登録制へと変更した。商標、実用新案、意匠の登録出願は公告から90日以内に異議申立てがない場合、登録される。
- 更新にも同様の審査、公告および異議申立て手続きが適用される。
- 政府手数料が値上げされる。
- 侵害の罰金額が引き上げられる。
- 商標の使用が義務となる。出願時に使用している、あるいは3年以内に使用開始予定である旨を明記しなければならない。また更新には使用証拠が必須となる。
- 商品の区分毎に出願しなければならない。一以上の区分を有する登録の更新には、分類ごとの更新申請を行う。
- 拒絶された出願は、
(1)特別委員会
(2)特別裁判による再審査の対象となる。 - 実用新案および意匠につき、登録機関の要請により、正当な補償を支払った上での実施権設定の裁定を大臣が下す場合がある。
- 未登録著名商標を保護する。
- 地理的表示の登録が可能になる。
- 解説
- 適用は4月12日とあるから、この記事が掲載されているときには既に改正法が施行しているはず。
ニース分類に従ってはいるものの、単区分制を採用。出願中のケースの譲渡、ライセンス登録等ができないことに注意しよう。シリアは、フランス領だったこともあってか、マドリッド協定加盟国だ。侵害の罰則規定を参照するに、300,000~1,000,000シリアポンド(約75万円以上250万円以下)あるいは3ヶ月以上3年以下の懲役とある。近隣諸国より物価は安いようなので、この額は内国人にとってはかなりの高額のはずだ。
ちなみに、今回改正の対象となった法域は「商標」「実用新案」「意匠」だが、この国には「特許法」もちゃんとある(PCT加盟国)。
[出典:SYRIA-NEW LAW FOR TRADEMARKS, MODELS & DESIGNS]
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