2010.10.05IPオランダ領アンティル:解体へ
オランダ領アンティル:解体へ
オランダ領アンティルは現在、キュラソー、ボネール、シント・マールテン、サバ、シント・ユースタティウスの5島から成る。
1986年にアルバが独自でオランダ自治領になったのを皮切りに、2008年12月15日の円卓会議で解体が決まり、2010年10月10日に実施されることとなった。
従って本年10月10日以降オランダ領アンティルは消滅し、現在当該地で登録されている商標権は下記のようになる。
■キュラソー
- オランダ自治領となり、もともとキュラソーにあったアンティル特許庁はそのままキュラソーの特許庁として機能する。
- 現在アンティルに登録されている商標権は引続き同領で維持される。
また、10月10日迄にアンティルに出願された商標も自動的にキュラソーをカバーする。 - 解体以降、新規商標又アンティルの登録商標はキュラソーで出願・更新する。
- キュラソーは現時点でアンティルが加盟している条約(パリ条約、マドプロ、TRIPS、シンガポール条約)に引続き加盟する。
■ボネール、サバ、シント・ユースタティウス
- オランダ領となり、新商標法制度が定まる予定である。
- ハーグにあるベネルクス特許庁がこれらの島を管轄する。
- 現在アンティルで登録されている商標権は、解体後ベネルクス特許庁へ保護の維持を申請する。
ただし、その期限については現時点では未定であり、恐らく10月10日以降6ヶ月以内であれば申請可能と考えられる。 - これらの地域に新規出願・更新を行う場合、ベネルクス特許庁に申請し、これらの地域に限定した商標権を取得・維持する。
- これらの島も、現在アンティルが加盟している条約及びオランダが加盟するニース協定、マドリッド協定に加盟する。
■シント・マールテン
- オランダ自治領となるが、将来的に新商標法が制定されるかは不明である。
- しかしながら同島は独自の商標庁を設立予定である。
以上、解体後の商標権については未だ不明な点が多いが、判明次第本IPNEWSでも紹介していく予定である。
[出典:VanEps Kunneman VanDoorne]
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