2011.05.10IPインド:44,000件のファイル紛失
インド:44,000件のファイル紛失
インドでは44,404件以上の商標登録ファイルが、ムンバイ、デリー、チェンナイ、コルカタの商標局各支部から紛失していることが判明し、デリー高等裁判所は、工業政策振興局(DIPP)に、これら紛失ファイル追跡のため緊急措置を講ずるよう命じた。
裁判所によれば、これらのファイルは2006年以来行方不明となっており、商標局とDIPPは、裁判所の調査命令が出されるまでこの事実を知らなかった。
これはある商標に関する裁判の過程において、登録ファイル調査の許可命令を求めた際に明らかになったものであり、誰がいつ紛失したのかも不明である。
これらの紛失ファイルは4月26日からインド商標局のHPで公開されており、インド商標局は、2011年07月31日までに該当案件の包袋ファイルの提出を権利人及びその代理人に求めている。
具体的に提出が求められているのは以下の書類である。
- 出願書類
- 審査関連書類
- 査定、登録証
- 登録変更を示す書類(譲渡、名称・住所変更等)
- 該当案件に関する裁判所の命令など
これらの書類は提出されると、商標局のデータ(公報、商標局の電子データ等)とクロスチェックされ、その後デジタル化され同局のサーバーへアップロードされる。
ハードコピーに関してはそのまま再成ファイルとして商標局の記録室に保管される。
尚、これらのファイルの基礎データは商標局に保管されており、ファイルが紛失したからといって直ちに登録された権利が失効するわけではない。
ところで現在商標局で公開されているファイル件数について、念のため弊社で確認したところ、公開件数は36,892件のみである。残りのファイルについて、追加で何らかの通知が発せられるか現時点では不明である。
ファイルの再成については当然ながらオフィシャルフィーはかからないが、代理人を介して提出する場合はサービスフィーが発生する。
[出典:Remfry & Sagar]