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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2013.11.26IPカナダ:国外のWebサイトによる国内の商標使用 他


カナダ:国外のWebサイトによる国内の商標使用

カナダはアメリカ同様使用主義を採用しており、商標権の維持にあたっては原則カナダ国内における商標の使用が必要である。
しかしながら、カナダ連邦裁判所はこのほど、Homeaway.com Inc 対 Hrdlicka事件2012 FC 1467において、下記の決定を下した。すなわち、カナダ国外のウェブサイトに表示されている商標で、カナダからアクセスでき、カナダで提供されているサービスに関するものは、そのウェブサイト情報の出所や保存場所に関係なく、カナダにおける商標の使用や広告にあたると判断した。
本件において、Homeway.comは“vacation real estate listing services”を指定役務とする登録商標「VRBO」の取消を請求し、請求人はWeb上で商標を表示することにより、以前同一のサービスを提供していたと主張していた。
本件の決定は、カナダからアクセス可能な国外のWebサイトで指定役務に関して使用されている商標権を維持できる可能性を与えるものだが、本件より以前の判例において、Web上における単なる広告のみでは十分ではなく、少なくともカナダにおいて提供している又は提供していたことが求められると判断されている。
また、Web上で提供されるどのような役務について有効かも考慮する必要がある。たとえば、カナダにはないホテルチェーンに関してはたとえば“hotel booking services”に関してはWeb上における商標の使用が認められる可能性があるが、“restaurant and spa services”のような役務については認められる可能性は低いと思われる。
更に、今回の決定は指定役務に関するものであり、指定商品に関しては認められない。


[出典:Smart & Bigg]


パキスタン:商標登録局の人員不足による危機

パキスタン商標登録局は知的財産機構の管理下にあるが、現在登録官又は副登録官なしで運営されており、すでに50名以上の審査官が退職し、1年以内に更に30名以上が退職する予定である。また、他局から商標登録局への人材異動は予定されていない。
また、著作権局も登録官がおらず、副登録官のみで運営されており、ここでも職員が退職予定である。
更にこれらの局を管理する知的財産機構も長官と議長が不在であり、全般的な人員不足のため機構が破綻する危機を回避するためにも、早急の人材募集が望まれる。


[出典:DAWN]


フィリピン:著作権局設立へ

フィリピン知的財産庁(IPOPHL)は今年初めに行われた知的財産法典改正に伴い、著作権局を設立する予定である。これは2014年度初頭に設立される予定で、知的財産権に関する認識を促し、商業目的で使用される著作物のロイヤルティを収集する機関(Collective Management Organizations)も認定する予定である。


[出典:Philstar.com]


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