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2013.12.24IP韓国:商標法全部改正案の立法予告 他


韓国:商標法全部改正案の立法予告

韓国では商標法の頻繁な部分改正により法条文が過度に複雑化したところから、商標法の全部改正が行われることになり、2013年11月、商標法全部改正案が立法予告された。改正案は今後変更される可能性があるが、その主な内容は次の通りである。

1. 商標の使用主義要素の改正
  1. ①商標の使用による識別力認定要件の緩和
  2. ②商標権侵害による損害賠償請求権者を実使用者に限定
    現行法下でも認められていないが改正法で明文化
  3. ③同日に2以上の出願が競合した場合は先使用者の出願を優先
    改正法では先使用者が不明な場合のみ協議で決定される
2.不合理な慣行の除去
  1. ①著名商標の希釈化防止条規の新設
    著名商標の識別力を弱化させる商標等の登録を阻止する規定を明文化
  2. ②不使用取消審判請求時の利害関係不要求および名目的使用推定規定の新設
    現行法では利害関係者だけが請求できるが、改正法では何人でも請求できるようにし、また審判請求日3か月以内に使用した行為に対しては取消を免れるための「名目的使用と推定」するようにした。また、取消審決の効力は審判請求日に遡及する。
  3. ③商標不登録事由の判断時点を「決定時」に変更
    改正案ではすべての拒絶理由の判断時点を「登録可否決定時」に統一し、例外的に不正の目的による模倣出願を制裁する商標法第7条第1項第12号は、商標登録出願時を基準とする。
  4. ④信義則に反する商標登録出願の防止規定などを新設
  5. ⑤有名商標保護規定の無効審判請求除斥期間の整備
    現行法では未登録周知商標(第7条第1項第10号、第12号1)に関する無効審判に対しては除斥期間の適用がなかったが、改正案ではすでに形成された市場状況に影響が及ばないよう、5年の除斥期間を適用
3.商標登録出願人の便宜向上および規制緩和
  1. ①商標共存同意制度(consent制度)の導入
    改正案では、先登録商標権者から登録についての同意書を受けて提出すれば、その他の特別な事情がない限り登録を認めるようにするが、登録可否は審査官の判断事項で、需要者に誤認・混同が発生する可能性がある場合には拒絶することができる。
  2. ②商標権消滅後1年間の出願禁止に関する規定の削除

[出典:KIM & CHNAG]


サウジアラビア:指定商品リストに関する新規定

サウジアラビア商標庁は指定商品リストに関する新たな規定を発表し、今後以下の条件を満たす指定商品リストでなければ出願を受け付けないとした。

  1. a.ニース国際分類第10版の記載と同一の指定商品・役務
  2. b.ニース国際分類第10版で定めるクラスヘディング
  3. c.上記aとbの組み合わせ

2013年10月8日号でお伝えした通り、サウジアラビアは出願の電子化を進めており、今後すべての出願はオンライン申請されるため、上記以外の表現で記載された指定商品・役務は適切に処理されず、出願の遅れを招くことになる。


[出典:Saba & Co]


アルゼンチン:登録証の電子化

アルゼンチン商標庁(INPI)は2013年11月06日付で、登録証の電子化に関する規定M-1292-2013号を公布した。これにより、同庁の公式システムに取り込まれたロゴ又はイメージ商標に関しては、電子登録証が発行され、それ以外の商標に関しては従来通り紙の登録証が発行されることになる。
電子登録証の発行にあたっては、商標庁より暗号コードが送付され、同庁のデータベースからダウンロードするようになる。
現在、アルゼンチンでは登録証の発行について通常6-7か月かかっており、本規定はこの遅延を緩和する目的がある。


[出典:Moreno, G. Breuer]


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