2015.12.08IPインド:商標法改正とオフィシャルフィー上昇 他
- インド:商標法改正とオフィシャルフィー上昇
- タイ:著名商標の認定廃止
- ロシア:著名商標に関する新規則
- フィジー:名義変更に関する手続変更
- トルコ:オフィシャルフィー上昇
- ガザ:第32類の指定商品から「ビール」削除
インド:商標法改正とオフィシャルフィー上昇
インドでは2015年11月19日付で改正商標法が公表された。現時点で想定されている改正は以下の通り。
- オフィシャルフィー上昇:商標に関する全ての手続について100%上昇予定である。また、紙ベースでの申請手続については更に10%の上昇となる。
- 使用証明:使用ベースの出願について全て使用証拠と宣誓書が求められる。
- 早期審査の導入:現行の早期審査は審査のごく一部に限定されているが、改正法では審査、公告まで含めた期間短縮を想定している。特に異議申立について、従来出願人は異議申立通知が当局より届いた後、答弁書を提出していたが、改正法では通知が商標庁のデータベースにアップロードされれば直ちに同書を提出できる。また、当事者双方は当局に提出する書類のコピーを同時に相手方に送付することになったため、審査期間の短縮が見込まれる。
- 著名商標の認定:改正法では登録官に著名商標を認定する幅広い職権を持たせている。登録官が申請人の提出した証拠と宣誓書を十分であると判断した場合、対象商標は著名商標リストに登録される。更に、登録官は後日登録が過誤であったと判断した場合、該商標をリストから削除する権限も有する。
- 音商標の導入:30秒以内で録音されたMP3と音符を提出する。
上記の改正は未だ決定ではないが、少なくともオフィシャルフィーが上昇する可能性は高い。現時点で申請可能な更新対象商標をインドに有する場合は早めの更新手続をお勧めする。
[出典:Remfry & Sagar]
タイ:著名商標の認定廃止
タイは2005年から著名商標の登録を受け付けていたが、現在に至るまで75件の商標のみ登録されている。しかしながら、タイ知的財産庁は近年申請自体は受け付けていたものの、2012年6月26日号でお伝えした通り、審査は事実上中断していた。
2015年09月09日、同庁は認定制度を廃止することを決定した。これに基づき、著名商標の登録に関する知的財産庁規則は廃止された。これに基づき、現在申請中の全ての案件は申請人に戻される。尚、旧規則下において著名商標として認定されたものについては、登録官は審査において参照することができる。
更に商標の審査又は不服審判の段階で登録官は現行の規則に掲載されている以下の基準に従い、対象商標が著名であるか否かを決定できる。
- 商標は出願人、その公式代理人又はライセンシーによって国内又は海外で流通により指定商品・役務について使用されている。
- 商標は通常の態様で使用、広告、又はその他の手段で使用され、現在に至るまで善意に基づき使用された結果タイの関連産業又は公衆において著名であり、その品質についての名声は広く消費者に知られている。
今後新たな著名商標認定制度が設置されるかは不明である。
[出典:Tilleke & Gibbins]
ロシア:著名商標に関する新規則
ロシアでは著名商標の登録に関する規則の改正があり、今後ロシア特許庁は行政手続を介して著名商標を申請した場合、申請日から最大で10か月以内に認定するか否かを決定しなければならなくなった。現在では認定に係る期間は特に定められていない。
改正規則に関しては以下の頁で確認できる。
[出典:SD PETOSEVIC]
フィジー:名義変更に関する手続変更
フィジー政府は2016年01月01日より登録商標の名義変更登録について、当該商標の価値の3%を税金として課すことを決定した。譲受人(新権利人)は該商標の推定価値を示す証拠を提出しなければならない。しかし商標の価値をどう推定すれば良いか、また証拠についてのガイドラインが提示されていないため、今後フィジーにおける名義変更手続が複雑となることが予想される。
[出典:AJ Park]
トルコ:オフィシャルフィー上昇
非公式ではあるがトルコ財務省は知的財産権の手続について2016年01月01日よりオフィシャルフィーを上昇する予定であることを発表した。これは同日以降に出願された商標及び同日において出願中のものに対して適用される予定である。
[出典:Jah & Co. IP]
ガザ:第32類の指定商品から「ビール」削除
ガザ商標庁は2010年08月01日付省令第2010/10号において、第32類について今後「ビール」と「ラガー」を指定することはできず、更新においては当該商品を削除することを発表した。
[出典:Jah & Co. IP]
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