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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2016.09.13IPブラジル:ハーグ条約加盟 他


ブラジル:ハーグ条約加盟

ブラジルは2016年08月14日付でハーグ条約を採択し、以後同国で領事認証の代わりにアポスティーユ認証を受けることが可能となった。


[出典:Dannemann Siemsen]


中国:ニューバランス、中国名失う

2015年6月23日号でアメリカの運動靴ブランド“New Balance”が中国で“新百倫”を使用したことにより、広州市在住の周氏から商標権侵害を訴えられ、結果広州市中級法院によって同法院過去最高の9,800万元という損害賠償の支払いを命じられた件をお伝えしたが、本件は2016年06月23日広東省の高級人民法院で決着した。
高級人民法院は、アメリカ企業に対し同社とその販売店は、「百伦」「新百伦」登録商標権の侵害を直ちに停止し、それぞれ登録商標の権利者の周氏に500万元と5,000元を賠償する、更にニューバランス社は開設した「ニューバランス(中国)公式サイト」などのトップページに影響の解消の声明を掲載するよう命じる判決を下した。
これによりアメリカニューバランス側の敗訴が確定した。

注目すべきは、広東高院が、一審でニューバランス社に対して認められた9,800万元の賠償金を500万元に変更した点である。
一審法院は、侵害を認定するとともに、周氏が主張した権利侵害期間のニューバランス社の獲得した収益は約1,958億元と確認し、周氏に対する損害賠償の金額は、同社の全体収益総額の2分の1、即ち9,800万元と認定した。
これに対して、広東高院は、消費者がニューバランス社の商品を購入する際に、「N」「NB」「New Balance」等、同社が他に保有する商標の高い名声と良好な品質をより大きく考慮していることを認定した上で、ニューバランス社の獲得した経営収益のすべてが、「百伦」「新百伦」登録商標の使用に由来するものではなく、周氏は、ニューバランス社に対して、同社がその他の商標名誉或いは同社商品の固有の価値で獲得した収益に対してまで賠償を請求する権利はないとした上で、証拠を総合考慮し、周氏に500万元(合理的支出を含む)を賠償しなければならないと判断した。

中国でのニューバランスの業績は好調で、2011年の全国301店舗が14年には1,600店舗に激増している。このため、当面英語名で販売を続けるとみられるが、「新百倫」の名前に慣れている消費者には混乱を招く虞がある。


[出典:時事通信社]


サウジアラビア:GCC商標法導入に伴う変更

サウジアラビアではGCC商標法が2016年09月26日から施行される予定であり、これに伴い各手続の変更とオフィシャルフィーの改正が予測されている。
未だ非公式の発表であるが、サウジアラビア商標庁は以下の変更を予定している。
1)登録費用の上昇
2)異議申立期間の短縮:施行日以降の出願について現行の90日から60日へ
3)異議申立は現行の裁判所から商標庁の上級委員会へ請求することになる

詳細については分かり次第、IPニュースでもお伝えする予定である。


[出典:Al Ajaleen]


中国:最高法院、裁判関連の文書をネット掲載予定

北京人民最高法院は裁判に関する書類をインターネット上にアップロードする制度を導入したが、2016年10月01日より裁判所規則のアップロードに関する規則の改正を予定している。
現在、2,000万件の文書を包括するChina Judgement Onlineには世界190の国・地域のユーザーがアクセスし、20億件以上のヒットを記録している。
最も検索されているサイトがwenshu.court.gov.cnで、アクセス数は5億件を超えており、うち1億件は北アメリカからのものである。
中国の裁判所は2014年以降、裁判書類をネット上にアップロードしており、最高法院も2016年07月25日付で青少年犯罪及び国家秘密に関するものを除く全ての判決をアップロードしている。


[出典:Chofn Intellectual Property]


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