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2021.07.06IPエルサルバドル:ビットコインを法定通貨として採用


エルサルバドル:ビットコインを法定通貨として採用

2021年6月9日、エルサルバドルは "ビットコイン法(Bitcoin Act)"と呼ばれる法令No.57を発表した。
この結果、エルサルバドルはビットコインを法定通貨に採用した最初の国となる。
この法律自体は、本文3ページ、条文16項と比較的短いものであるが、エルサルバドル経済のあらゆる側面に影響を与えるものになるであろう。

当該法律の目的はビットコインの法定通貨としての使用を定めることである。
2001年以降、同国では米ドルが使用されるようになっており、自国通貨のコロン(Colon)もドルも法定通貨である。
今回の法律では、価格をビットコインでも表示できるようになったが、会計上は引き続きドルが基準通貨となる。
また、これまでドルで表示されていた金額は、すべてビットコインで支払うことができるようになる。
税金についてもビットコインで支払うことができる。

この法律により、エルサルバドルは法定通貨として、コロン、米ドル、デジタル通貨のビットコインの3種類の通貨を持つことになった。
コロンはドル為替に固定連動するが、ビットコインとの交換レートは、当然のことながら、市場原理によって決定される。
また、ビットコインの交換には資本利益税(Capital gain)を課されない。

ビットコイン法は、公示日から90日後に発効する。
その期間内に、中央銀行と金融システムの監督局は、法律の実施のための規則を定める。
また、この法律が施行される前に、政府はエルサルバドルの開発銀行(BANDESAL)を通じて信託基金を設立し、取引においてビットコインを自動的かつ即座にドルに交換できるようにする予定である。

よって、商標手続きに関する費用をビットコインで支払う事も可能となるであろうが、ビットコインの環境面や透明性の欠如が通貨としては脆弱であるというのが大方の見方である。


[出典:Lysaght]


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