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2023.04.11IP中国:異議申立において優先日が重要な役割を果たしたケース


中国:異議申立において優先日が重要な役割を果たしたケース

商標のモニターをしていると、先行登録商標と同一(またはほぼ同一)かつ類似商品を有する商標が、公報に異議申立のために公告され驚かされることがある。
「なぜ当局は、同じ指定商品に対する同一(またはほぼ同一の)先行商標を引用して、後願商標を拒絶しなかったのか?」と疑問に思う先行登録商標の権利者もいるだろう。
この疑問を過去のケースを検証しながら紐解いていく。
概要
当事務所は、クライアントAxcez Trading ABを代理し、商標「DOPE」(第12366576号)に対し商標登録異議申立を行った。
中国国家知識産権局(CNIPA)は、異議申立対象商標の登録は認められないとする決定を下した。

背景
先行商標「DOPE」(国際登録番号:1187311)の権利者はAxcez Trading ABであり、本件における当事務所のクライアントである。
クライアントは、先行商標「DOPE」(国際登録番号:1187311)と公告された商標「DOPE」(出願番号:第12366576号)の併存は、消費者の混同を招きクライアントの利益を損なう可能性があると考えていた。
当事務所はクライアントと協議し、公告された商標に対して異議申立を行った。

公告された商標とクライアントの先行商標の比較表は以下の通りである:

 

経過概要
当事務所は異議申立対象商標に対して2014年9月15日に異議申立を行った。
異議申立において、主に以下の点を主張した:

1) クライアント商標の優先権主張日は異議申立対象商標の出願日よりも早い。
2) 異議申立対象商標はクライアント商標と同一である。
異議申立対象商標の指定商品は、クライアント商標のそれと同一/類似である。
したがって、異議申立対象商標とクライアント商標は「類似商品に対する類似商標」に該当し、旧中国商標法第三十条により異議申立対象商標の登録は認められるべきではない。

2016年2月27日、CNIPAは当事務所の主張を支持し、異議申立商標の登録を認めないとの判断を示した。

本件の重要なポイント
本件の重要なポイントは、クライアント商標の優先権主張日と商品の類似性の判断である。
通常、異議申立において、異議申立人、相手方当事者およびCNIPAは、異議申立対象商標と異議根拠商標の中国における出願日については注意深く比較するが、一方で商標の優先権主張日については確認を怠ってしまうことがある。
一般的に、このような事態は、元の国内出願の先行出願日を主張しマドプロ中国出願を行った場合に発生することが多い。
本件では、クライアント商標(マドプロ中国出願)の優先権主張日の確認をCNIPAが審査時に怠り、異議申立対象商標の登録が暫定的に審査上認められてしまった。
CNIPAによる確認不足により、2つの同一商標が類似の商品について認められる事態が発生した。
結果的に、クライアントはCNIPAの審査における誤りを指摘し、本異議申立を成功させることができた。

中国の「類似商品および役務区分表」によれば、異議申立対象商標とクライアント商標の指定商品は同区分に属しており、両商標の使用は商品の出所に関連する人々の間で混乱を生じさせると考えられる。

結果
2016年2月27日、CNIPAは異議申立対象商標の登録を拒絶した。
現在の審査過程においては、審査官が先行類似商標の優先権主張日の有無について確認を怠ることはないだろう。
しかしながら、商標権利者として、商標の優先権主張日を常に覚えておくことは重要である。
これにより、商標保護案件において先行商標の権利を確認し、審査期間を短縮することができるだろう。


[出典:Kangxin Partners PC]


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