2006.11.14IPアメリカ:商標希釈化防止法改正法令が連邦議会にて可決
アメリカ:商標希釈化防止法改正法令が連邦議会にて可決
2006年10月6日、ブッシュ大統領が、2006年商標法希釈化防止改正法令に署名。同法令は署名後ただちに発効された。この法令は、著名商標を、その識別性を損なう、あるいはその名声を傷つける使用から保護するもの。2006年商品希釈化防止改正法令は、モーズリー対ヴィクトリアズ・シークレット・カタログ裁判の最高裁判所による判決に対応するものであり、アメリカ合衆国における著名商標の保護と現行の希釈化防止法令に関する控訴裁判での多くの軋轢への対応となるものと見込まれる。
- 解説
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「モーズリー対ヴィクトリアズ・シークレット・カタログ」事件。ビクトリアズシークレットといえば、とってもセクシーなランジェリーを超一流モデルに着せた通販カタログ「Victoria’s secret」のこと(なんでも男性読者も多いらしい)。他方、モーズリー氏は、アメリカの一地方にて「ビクターズシークレット(Victor’s secret)」の名前で主に大人むけ玩具を販売していた。ビクトリアズシークレット側の訴訟提起で始まったこのケースは、「著名商標の希釈化とは何か」の問題提起につながる最高裁判決にまで発展。改正法令は、著名商標か否かの判断要素、希釈化の判断要素等について明確にしている。先の最高裁判決の「希釈化されたというためには、消費者が著名商標を認知するためのキャパシティが失墜したとの証拠が必要」の判断を受けて、証拠となるべきものとは何かを法文上明らかにした。希釈化について頭を抱える著名商標所有者にとっては朗報だ。
関連ページ:
http://www.inta.org/images/stories/downloads/trademarkdilutionrevisionact2006.pdf
[出典:INTA]