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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2011.10.25IPタークス・カイコス諸島:追加公告費用の発生 他


タークス・カイコス諸島:追加公告費用の発生

前号で2012年度より年金が開始されることをお伝えしたが、同じく2011年07月29日より1出願に含まれる区分数に拘わらず公報に掲載される出願、更新、登録変更についても追加で公告費用が科されることとなった。


[出典:Caribbean Trademark Services]


コスタリカ:行政審判所業務再開

コスタリカでは2000年に商標及び知的財産権の登録に関する行政決定に対する不服審判を扱う審判所が設立され、審判所上位機関が推薦し、国民議会が承認した後、4年任期の審判官が着任していた。
しかしながら、2009年、上位機関が推薦した審判官を議会が承認せず、赴任中の審判官の任期が切れた後、2010年06月から業務停止となっていた。

この状況について最高裁判所の憲法審議委員会は原因を議会の怠慢にあるとし、罰金を科すことを決定した。
その後、議会はようやく2011年07月05日に審判所の推薦を承認し、同所の業務が再開した。
しかしながら、既に生じている業務の遅れの回復には18ヶ月かかる見込みである。


[出典:Zurcher Lawyers]


中国:知的財産権関連の裁判増加

中国人民最高裁判所によれば中国では最近知的財産関連(IP)の案件が増加している。
統計によれば、2010年前半、地方裁判所で扱ったIP関連の民事事件は42,931件であり、これは40.18%の上昇である。うち決定が下りた案件は41,718件である。

一方、IP関連の行政審判は2,590件が受理されたが、これも25%の増加であり、2,391件に決定が下りている。


[出典:NTD]


OHIM:仲裁制度導入へ

OHIMは商標と意匠について、不服審判の代わりとなる仲裁サービスの導入を計画している。
当該サービスは専門の研修を受けた仲裁員によって10月末から開始される予定である。

仲裁を受けるについては、まず不服審判を請求しなければならない。
仲裁がOHIMの所在地であるAlicanteで開催される場合、追加費用は発生しない。

また、OHIMのブリュッセルオフィスで仲裁を受けることもできるが、この場合は仲裁員の移動費用等として750Euroのオフィシャルフィーが発生する。

仲裁のプロセスは両当事者を拘束するものではないが、当該制度の導入により審判の早期の解決が期待される。


[出典:OHIM]


EU:2010年侵害案件に関する統計

欧州委員会税制・関税同盟総局はこのほど、EU内での侵害事件について2010年の統計を発表した。

それによると、EU税関で差押えられた疑義品の数は2009年度の1億1,700万に対し、2010年では1億300万個と減少したものの、同税関で差止めた船舶数は2009年度の43,000隻に対し2010年度は73,000隻と約2倍となっている。
これは侵害品の持込ルートをたどる上で興味深い傾向である。

侵害品の種類としては煙草(34%)、被服(7%)、玩具(7%)の占める率が高いが、医薬品、ボディケア商品等も増加傾向にある。

また郵送による持込も多く、実際に差止められた郵便物は2009年度の15,000個に対し、2010年度では45,000個となったが、これは医薬品のオンライン注文の上昇と比例している。

侵害品の発生源としては相変わらず中国がトップで85%、その後トルコ、インド、タイと続く。

税関の差押後の法的行為としては、90%が商標権者と輸入業者との合意による侵害品の廃棄、又は商標権者による提訴で、何ら対応を取らなかったケースは4.5%だけであった。
これは商標権者側にも模倣品対策についての関心が高まっていることを示す数字である。
商標権者の侵害対応意識の上昇を示すもう1つの数字として、EUにおける税関登録数が1000件(2000年)から18000件(2010年)に上昇したことが挙げられる。


[出典:Rapisardi]


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