2013.01.30IPインド:変更登録案件の措置 他
インド:変更登録案件の措置
2012年12月26日号で異議申立に関するインド商標庁の取組みをお伝えしたが、同様の措置が変更登録案件についても開始される予定である。
インド知的財産権庁長官は2013年01月09日付で通知を出し、各商標庁に2013年02月より登録商標に関する名義変更も含む各種変更登録についても審査を進めるよう指示した。
これにより、2012年12月31日までに提出された登録商標に関する変更登録手続きが処理される。
異なる管轄商標庁に属する複数登録商標について申請した場合、申請書の最初に記載された登録商標の管轄商標庁で処理が行われる。
該当商標の権利人又はその代理人は、当該登録手続が完了していない場合に、各商標庁が公開するスケジュールに従い、下記の必要書類を持って担当審査官のもとへ赴かなければならない。
- 登録商標に関する変更に関する宣誓書
- 申請書に記載されている譲渡・移転に関して紛争がないことに関する誓約書
- 該当案件に関して登録されていない以前の変更がある場合はその申請書のコピー
- 譲渡契約書等のコピー
- 委任状のコピー
尚、現時点では担当審査官もスケジュールも未定であり、2月に発表される予定である。
また、今回の件に関しては特にヒアリングは予定されていない。 いつも通り弊社案件に関しては現在、代理人が必要手続きを準備している。
[出典:Remfry & Sagar]
中国:第3回目の商標法改正へ
中国では商標法の改正案が2012年12月24日、第11期全国人民代表大会常務委員会第30回会議の審議で提出された。
現在同案は中国人大網で公表され、2013年01月31日まで広く意見を募集している。
改正法の内容が確定した後IP NEWSでもお伝えする予定だが、現在、下記の内容が盛り込まれている。
- 非伝統的商標:音声、色彩商標等が出願可能になる。
- 出願制度の改正
- 多区分制度の採用
- 意見書制度の導入:現行では拒絶理由があればいきなり拒絶査定となるが、 改正案では受領日から30日以内の意見書提出期間が設けられる。
- 異議制度の改正
- 請求人資格を限定(「何人」から「利害関係者」へ)
- 異議理由の限定
- 馳名商標認定の厳格化
- 商標専用権の強化
- 権利侵害行為に便宜を図り、他人の商標権侵害を助ける行為も侵害行為の一つとする。
- 懲罰的賠償制度の導入:悪意ある侵害行為に対し商標権者が受けた損失、侵害者の得た利益、又は商標使用料の1-3倍の範囲で損害賠償額を確定する。
これらの根拠が示されない場合、法定賠償額の上限を50万元から100万元に引き上げる。 - 権利者の挙証責任軽減:権利者が全力で証拠を示しても侵害行為の資料を侵害者が握っている場合、裁判所は侵害者に対して当該行為に関する帳簿・資料を提出するよう命じる。
[出典:中国人大網]
韓国:商標データの整備
韓国特許庁(KIPO)の商標データベースは設立時、スキャナーの性能が低く商標イメージに問題があったため、毎年約400件の訂正依頼を受けていた。
そのためKIPOはこの都度17万件の商標データを見直し、うち約10万件について再度電子化し誤記の訂正等を行った。
従って2013年01月以降は、より正確な商標検索が可能となる。
[出典:KIM, HONG & Associates]
EU:水際対策に関する新規則
2003年1383号規則に代わる新しい税関と知的財産権の行使に関する規則草案がEU議会で発表された。
これは2014年01月01日に施行される予定であるが、以下の特徴がある。
- 小口貨物
近年、侵害品・模倣品をインターネットで販売し、直接小口貨物で個人へ送る方法が頻発しており、これらの貨物のチェックは税関の負担になる割には差押が減少するという現象を招いていた。
改正案では第24条において、これらの小口貨物について税関が輸入業者に通知を送り、同人が同意するか又は10営業日以内に回答しない場合、税関が直接廃棄できるものとしている。
これらの手続きには権利人は介入しないが、税関登録をする際にその旨を希望すれば介入できる。
輸入業者が同意しない場合、税関は権利人に通知し通常の差押手続きを開始する。
尚、小口貨物とは3ユニット以下又は重さが2キロ以下の郵送物と定義される(第2条17a)が、第24条20において、取引業者が例えば重さを2キロ以上にするために不要な素材を追加した場合等に備え、管轄委員会が迅速にこの定義を変更できるとしている。 - トランジット貨物
第19条aにおいて、EU税関はトランジット貨物が侵害品である場合、その旨を到着国の税関に連絡することができると規定した。 - その他
新規則では商号、半導体トポグラフィー、実用新案、迂回装置に関する権利も対象として含まれる。
また、輸出入業者の情報について、権利人がどの範囲まで使用できるかについて、新規則では民事手続や同人からの廃棄の同意を得るためのみでなく、刑事手続に関しても使用できると規定した。
[出典:Rouse & Co.]