2016年のIPニュース

2016年10月11日号ヴェネズエラ:異議申立における手続の改正 他

  1. ヴェネズエラ:異議申立における手続の改正
  2. エジプト・サウジアラビア:商標に関する価格上昇
  3. 中国:企業代表者の氏名と同一・類似商標に対する企業の異議申立請求権
  4. ケイマン諸島:改正商標法

ヴェネズエラ:異議申立における手続の改正

ヴェネズエラでは2016年08月22日に異議申立手続に関する公式通知が公布され、09月12日に発効された。これにより現在審査中の異議申立について、第三者商標に対して異議申立を請求した商標権者は、当該手続を継続する旨を確認する書面を提出しなければならない。
この書面提出期間は2か月、即ち2016年11月14日までに提出しなければならない。
商標局は提出しなければならない案件リストを公布しており、該当案件のクライアントについては弊社業務部より随時お知らせする予定である。

[出典:Hoet Peralez Castillo & Duque]

エジプト・サウジアラビア:商標に関する価格上昇

エジプト財務省は2016年09月09日より改正付加価値税法を採用し、2016〜17年会計年度のコンサルティング費用等に関する税率が10%となった。このため、今後エジプトの知的財産関連の費用に関して、サービスフィーの上昇が予測される。

また、2016年09月13日号でお伝えした通り、GCC商標法採用に伴い、サウジアラビアでは10月02日付でオフィシャルフィーが変更され、商標に関する全ての手続に関する費用が上昇した。新オフィシャルフィーは新規出願及び現在審査中の出願にも適用される。

[出典:Abu-Ghazaleh IP]

中国:企業代表者の氏名と同一・類似商標に対する企業の異議申立請求権

北京知識産権法院と北京市高級人民法院はこのたび、企業の代表者の氏名が商標として不正登録された場合、当該企業が利害関係者として異議申立又は無効請求できると判断した。ただし、前提条件として当該代表者企業の利益と如何に関連するか、及び当該個人の氏名が商標として不正登録された場合に企業が不利益を被ることを立証しなければならない。

これは茅台酒厰と貴州茅台鎮国威酒業有限責任公司(以下、「国威社」)の案件に関するものである。国威社は2012年03月07日に第33類の「酒(飲料)」等の商品に商標「季工坊」(第9162734号)を登録した。

2013年10月24日、茅台酒厰は国家商標評審委員会(TRAB)へ商標無効審判請求をし、当該商標が会社の名誉董事長の季克良の氏名権を侵害し、季克良の先登録した「季克良」商標と類似商標に該当すると主張した。その後2014年05月01日に、改正商標法が発効し、同年12月03日、TRABは茅台酒厰に対象商標登録の取消を請求する主体資格がないと判断し、茅台酒厰の請求を却下すると裁定した。
茅台酒厰は北京知識産権法院へ起訴した。裁判所はTRABの裁定を取消し、改めて裁定を下すようTRABに命じた。TRABは一審判決を不服とし、北京市高級人民法院へ上訴した。北京市高院は審理の上、一審判決を維持した。

裁判所の判断

裁判所は次のように判断した。即ち、季克良はかつて茅台酒厰の厰長であり、且つ明確に茅台酒厰に対して、その氏名権及び商標権に基づき対象商標取消請求を授権したため、茅台酒厰は季克良の利害関係者である。これに基き、茅台酒厰には2001年『商標法』第28条により対象商標に対して取消請求をする資格がある。故に、TRABの裁定の法適用が誤っていた。
また、季克良は白酒の業界で高い知名度を有し、「季克良」、「季工」に含まれた利益が同じく茅台酒厰と密接に関連しているため、当該企業は「季克良」、「季工」の氏名権の利害関係者である。国威社は第33類の酒(飲料)等の商品に対象商標「季工坊」を登録出願し、関連公衆に当該商標が季克良と関連する茅台酒厰に由来すると誤認を生じさせ、茅台酒厰の商業的優位性がもたらす利益を損なうことになると判断した。

[出典:LexField Law Offices]

ケイマン諸島:改正商標法

ケイマン諸島では改正商標法が公布され、2017年度に施行される予定である。
改正商標法ではイギリス商標、EU商標又は交国際商標の再登録制度が廃止され、出願商標は絶対的・相対的審査が行われる。また、異議申立、不使用取消の制度が設定され、団体商標についても含まれる予定である。
但し、現行法にも存在する年金制度は維持される可能性が高い。

改正法導入によって、しばらくは新旧制度が混在するケイマン諸島では審査や登録手続が遅れることが予測される。従って、ケイマン諸島での商標保護を希望される場合は年内に申請することをお勧めする。

[出典:Lysaght]

IPニュースの定期購読(無料)も受け付けていますので是非ご利用ください。購読をご希望の方は右のボタンからお申込みください。

IPニュース定期購読申込みへ
お問合せフォームへ
ページのトップへ