商標の豆知識ブランド保護の豆知識中国ソフトウェア著作権の登録とその活用例

中国において、ソフトウェアの販売時に著作権登録証の提出をオンラインプラットホームより求められるなど、著作権登録についての活用の場が拡大しております。
そこで、中国におけるソフトウェア著作権登録の現状と、登録のメリット、登録申請について簡単に紹介します。

中国におけるソフトウェア著作権登録の現状

中国のソフトウェア著作権登録制度は1992年から開始され、2018年には開始当初の1万倍となる100万件の大台を突破しました。また2021年には288万件のソフトウェアが著作権登録され、登録件数は年々増加しています。

登録のメリット

オンラインプラットホームへの提出

中国で配信専用のプラットフォーム等経由でソフトウェアを配信する場合、主要プラットフォームは事前に著作権登録証の提出を求める。

権利行使の根拠書類

行政摘発時の権利証明(初歩証明)

  1. ソフトウェア著作権侵害に基づく行政摘発を行う際に、版権局への提出が求められる。
  2. 但し、実際の権利行使にあたっては、ソースプログラム、管轄機関による侵害製品との類似証明書等の追加証拠が求められる。

インターネット上における侵害への警告送付

  1. Alibabaグループ等主要なプラットフォームはソフトウェア著作権登録証をアップロードし、ソフトウェア著作権を侵害しているリンクの削除申請を受理している。また独立サイトについては、ホスト会社等に著作権登録証写を添付し、シャットダウン申請ができる。

付加価値税の節税対策

~ソフトウェア製品の付加価値税政策に関する財務省および国家税務局の通知~

  1. 第1条 :ソフトウェア製品の付加価値税について
    (3)納税者がソフトウェア製品の開発を委託され、著作権が委託当事者に帰属する場合、付加価値税が請求される。(中略)国家版権局に登録されたソフトウェアについて、納税者が売却と同時に著作権と所有権を譲渡する場合、付加価値税は適用されない。
  2. 第3条:以下の条件を満たすソフトウェア製品は、管轄の税務当局による審査および承認を受けた後、この通知に規定される付加価値税ポリシーを享受できる。
    1.省のソフトウェア業界当局によって承認されたソフトウェアテスト機関が発行する検査証明書を入手した製品 
    2.ソフトウェア業界の管轄部門が発行する「ソフトウェア製品登記証明書」又は著作権管理部門が発行する「コンピュータソフトウェア著作権登録書」を取得した製品

登録申請についての概要

コンピュータソフトウェア著作権の保護期間

  1. 自然人 :自然人の死後50年目の12月31日まで
  2. 法人:公表後50年目の12月31日まで

登録要件(ソフトウェア著作権登録弁法7条)

  1. 独立して開発されたソフトウェア
  2. 原著作権者の許諾を得て、既存のソフトウェアについて修正した後に形成される機能又は性能の分野において重要な改良のあるソフトウェア

登録までのフロー(弊社へご依頼をいただいた場合の例)

  • ※1 主な必要書類として登記簿(要認証)がございますが、弊社で認証代行が可能です。(費用別途)
  • ※2 申請から登録まで60日と言われておりますが、実際には申請件数の増加のため数か月かかるのが一般的です。
    お急ぎの場合は「早期審査制度」のご利用をお勧めいたします。

早期審査制度

「早く登録したい」という場合は、中国当局へ早期審査手数料を支払うことで2~30営業日での登録が可能です。早期審査費用は日数によって異なりますので、お問い合わせください。

登録に必要な情報・書類

書類の種類 内容 翻訳の要否
登記簿謄本 要領事認証
申請件数毎に必要
要認証中文訳
(Certified Translatorによる中国語訳)
委任状 著作権登録申請を現地代理人へ委任するため -
申請書 ソフトウェアのバージョン、創作日、公開日、開発ソフトなどに関する必要事項を記入の上、署名・捺印(角印可) -
ソースコード ソースコードが60ページ以内であれば全ページ、60ページ以上であれば最初の30ページと最後の30ページを提出
1ページあたり50行以上含まれていること
別途CPCCのソースコード作成マニュアルに従って作成すること
ソフトウェアに関係するマニュアルなど 60ページ以内であれば全ページ、60ページ以上であれば最初の30ページと最後の30ページを提出
1ページあたり30行以上含まれていること
要中国語訳

※本ページに記載の情報につきましては、2023年1月時点での情報となります。申請時に変更となっている場合もございますので、予めご了承ください。