「DNSサーバ(ネームサーバ)」「レコード」などのDNS関連用語や「Webサーバ」「メールサーバ」等ドメインを使用する際の用語について解説しています。
DNS関連
DNS(Domain Name System)/DNSサーバ
インターネットに接続している機器にはIPアドレスが割り当てられており、インターネット上における通信は、自分と相手先のIPアドレスを用いて行われます。
ドメインネームをIPアドレスに変換する仕組み(名前解決)を管理しているコンピュータを「DNSサーバ」または「ネームサーバ」と呼びます。
DNSサーバが停止すると、ドメインネームでの接続が不可能になり、Webサイトやメール利用などあらゆるサービスが停止します。そのため、各ドメインに配置されるDNSサーバは2台(プライマリ/セカンダリ)以上で運用するのが通常です。
IPアドレス
インターネット上のコンピュータや通信機器1台1台に割り振られた識別番号です。
現行の標準プロトコルであるIPv4(Internet Protocol version 4)は、8ビット単位をドットで区切り、十進法で表記します。例:「123.45.67.89」
IPアドレス枯渇問題の解消のため、次期バージョンのプロトコルとしてIPv6が用意されており、こちらは、128ビットをコロンで区切り、十六進法で表記します。
名前解決
コンピュータはIPアドレスによって通信相手を特定していますが、IPアドレスのような数字の羅列を人間が識別し利用するのは困難であるため、人間側は覚えやすいドメインネームを利用することで、識別を行っています。
一方、コンピュータはアルファベットを認識することはできないため、ドメインネームをIPアドレスに変換する仕組みが必要であり、この仕組みを名前解決(DNS)と呼びます。
ネームサーバ
DNSサーバ参照。
DNSルートゾーン
ルートゾーンには、TLDの参照情報(それぞれのTLDのDNSサーバのホスト名、IPアドレスなどの情報)が記載されています。DNSサーバはルートゾーンの情報により、次に問い合わせるべきDNSサーバを把握します。
ルートネームサーバ(ルートサーバ)
IPアドレスとドメインの名前解決において、TLD部分の名前解決を担当する最上位サーバです。ルートネームサーバはルートゾーン情報を保持しています。
ゾーン情報(レコード情報)
そのドメインに関してDNSが管理する情報のマスターデータのことをいいます。
レコード
ゾーンに含まれるデータの単位。ゾーンが表だとすると1つ1つの行のようなものです。SOAレコード、NSレコード、その他のホストに関するレコード(MXレコード、Aレコード、CNAMEレコード等)の順にDNSサーバに書かれます。
SOAレコード(Start Of Authorityレコード)
そのゾーンに関する基本的な情報源。ドメインのDNSサーバ名のほか、DNSサーバへ転送する際の管理情報などから構成されます。
NSレコード(Name Serverレコード)
ドメインとそのドメインのDNSサーバを指定するレコードのことをいいます。
MXレコード(Mail Exchangeレコード)
メール配送のために必要なメールサーバの情報です。メールサーバのホスト名(FQDN)を指定し、メールアドレスは、MXレコードで指定したメールサーバが管理します。
Aレコード(Addressレコード)
特定のホスト名に対応するIPアドレスを定義するレコードのことをいいます。
CNAMEレコード(Canonical Name of an Aliasレコード)
別名を定義するレコードのことをいいます。
DNSSEC(Domain Name System Security Extensions)
DNSサーバから送られてくるIPアドレスとホスト名の対応情報の信頼性を証明するセキュリティ拡張機能です。 DNSSECを利用するためには、サーバ側と利用者側の双方が、DNSSEC対応している必要がありますが、DNSサーバから受け取った情報が正しいものかどうか確認できるようになります。
キャッシュ
ネットワークなどの情報伝達経路において、ある領域から他の領域へ情報を転送する際、その転送速度を上げ、向上させるために転送元と転送先の中間サーバまたはパソコンに一度アクセスしたデータを一時的に保持することをいいます。
データ転送元への転送要求があり、それへの参照が既にキャッシュとして格納されていた場合は、転送元へのデータ入手は行わずキャッシュが保持していたデータを返答します。このことにより転送先サーバの負荷の軽減を行い、また転送元に対しては迅速な応答を行えます。
DNSキャッシュポイズニング
DNSサーバはキャッシュにより、負荷の軽減や応答の高速化を図っていますが、そのキャッシュ情報を偽の情報に書き換える攻撃のことをDNSキャッシュポイズニングといいます。この攻撃を受けると,利用者のWebブラウザは意図しない別のサーバにアクセスを誘導されてしまいます。キャッシュポイズニング問題からDNSSECは広まり、日本のJPドメインも2011年に対応しています。
Web、メール関連
Webサーバ(ウェブサーバ)
インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)において、利用者がWebブラウザで閲覧するためのコンテンツ(画像・音声・動画などのデータ)を提供するサーバです。またそのために稼働しているサーバ用 ソフトウェアのことをいいます。
WWW(world wide web/ワールドワイドウェブ)
さまざまな種類のコンピュータ上で共有できるプロトコルとして開発されたもので、インターネットそのものではなく、世界中のサーバで公開されている情報をインターネットのWebページとして得ることができる情報提供システムのことをいいます。
WWWでは、URLを指定したり、Webページのリンクをクリックすることで、利用者は世界中のWebサーバに保存、公開されている情報をWebページの閲覧という形で受け取ることができます。
Webブラウザ(ブラウザ)
Web上で公開されているHTML文書などの情報を閲覧するためのアプリケーションソフトウェアのことをいいます。
例:IE(Internet Explorer)/ Google Chrome / Safari / Firefox
メールサーバ
インターネット上で電子メールの送信や受信を行うコンピュータです。他ネットワークの利用者に電子メールを送信するSMTPサーバと、自ネットワーク内の利用者宛に送られてきた電子メールを受信するPOP3サーバやIMAP4サーバなどを合わせたものをいいます。
SMTPサーバ
電子メールの送信を行うサーバです。メール送信プロトコル(通信規約)のSMTPに対応しているものです。メールサーバの送信用サーバで代表的なものがSMTPサーバです。
POP3サーバ
電子メールの受信を行うサーバです。メール受信プロトコル(通信規約)であるPOP3に対応しているものです。
メールサーバの受信用サーバで代表的なものがPOP3サーバです。
POP3サーバでは、メールボックスにメールを保管し、利用者が受信時にPOP3サーバに接続し、自分のメールボックスから自分宛てのメールを取り出す仕組みとなっています。
IMAP4サーバ
電子メールの受信を行うサーバです。IMAP4プロトコルに対応しているものです。メールボックスに届いたメールの長期間保管が可能です。