調査が必要な理由
商標調査の目的は、主として以下の2つが挙げられます。
- 先行商標の権利を侵害してしまうリスクがないかを確認する
- 自社商標が登録できるか、リスクとなる先行商標と権利者を確認する
出願された商標は、商標法や審査基準等に従って登録すべきか審査されます。第三者の登録商標と混同のおそれがある商標は、登録が認められる可能性は低くなります。これらの評価にあたっては、商標全体や構成要素についての識別性の判断が前提になります。
登録要件は国や地域によって異なり、それぞれの商標法や審査基準等に規定されていますが、全ての国でこれらを把握し評価することは難しいことです。
例えばスローガンを含む商標の場合、識別性がないため本質的な登録性を具備せず登録不可と判断する国(ブラジル等)もあれば、一定条件を満たしていれば識別性があると判断する国(日本や中国等)もあります。
また、複数の調査国で同じ先行商標が発見されても、各国の言語の違いにより、その先行商標が類似するかどうかの判断は国によって異なる場合があります。
さらに、商標は原則として識別性の有無に加え、称呼(読み方)/外観(視覚)/観念(意味)と指定商品/指定役務の類否により審査されますが、何を重視するかは国により異なります。
したがって、無用な費用を省き、早期に権利保護を受けるために、出願国の商標法や審査実務に精通する専門家である各国代理人に商標調査を依頼し、希望する商標が登録要件を満たしているか見定めてもらうことが重要となります。
調査についてよくあるご質問
- 一般的な語と思われるが、海外で調査すべきか。
- 調査することをお勧めします。例えば一般的な英単語であっても、英語を母国語としない国の場合、指定商品・役務に関して登録性を具備すると判断される場合もあります。詳細は、弊社までお問い合わせください。
- 会社名やコーポレートロゴの登録に向けて事前調査を検討しているが、調査の指定商品や指定役務はどう指定すべきか。
- 現在の貴社サービスに関連する、又は今後関連する可能性がある商品・役務を広く指定して調査することをお勧めします。しかし、納期や費用の面で広範囲での調査が難しい場合は、お客様の主力商品・役務に限定した調査を行うこともご提案しています。