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2022.04.12IPロシア:権利者の同意なく特許権等の実施を許可する際の対価決定


ロシア:権利者の同意なく特許権等の実施を許可する際の対価決定

ロシア連邦政府は、2022年3月10日、国家安全保障等のために「非友好国」に指定した国の企業が保有する特許権等に関し、実施者が支払う対価の額を収益の0%とする決議を行った。
「非友好国」として挙げているのは、オーストラリア、アルバニア、アンドラ、英国(ジャージー島、アンギラ、英領バージン諸島、ジブラルタル)、欧州連合加盟国、アイスランド、カナダ、リヒテンシュタイン、ミクロネシア、モナコ、ニュージーランド、ノルウェー、韓国、サンマリノ、北マケドニア、シンガポール、米国、台湾、ウクライナ、モンテネグロ、スイスおよび日本である。

ロシアでは民法第1360 条にて、国防及び国家安全保障並びに住民の生命及び健康の保護に関連する極度な緊急時に連邦政府は特許発明、実用新案、又は意匠の使用を決定することができると定めている。
ただし特許権者に対し合理的な対価が支払われることとなっており、以前の対価額は生じた収益の0.5 %であった。 
このような「強制実施権」の設定には多くの議論が必要であり、今回の決定は政府による決議にすぎず、根拠となる法が改正された分けではない。
引き続きロシアの知財情勢に注視してゆく予定である。


[出典:Liapunov & Co., PATENTICA]


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