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2023.09.12IPオーストラリア:オーストラリアにおける仮想商品およびNFTsの商標区分について


オーストラリア:オーストラリアにおける仮想商品およびNFTsの商標区分について

オーストラリア知的所有権保護局(IP Australia)は仮想商品やNFTを含む最先端技術の商標分類に関する新たなガイドラインを発表した。
仮想商品、NFT、ブロックチェーンに関連する商標登録について、オーストラリア知的所有権保護局は次のガイドラインを示した:

仮想商品・サービス
・仮想商品に関連する商標は、正確には第9類に分類される。表記“virtual goods”および“downloadable goods”は具体性に欠け、認められない。
仮想商品の性質が具体的でなければならない(例: “downloadable virtual clothing”)。
・仮想サービスに関連する商標は、サービスが現実世界に与える影響を考慮して、関連する役務区分に分類される。
例えば、オーストラリア知的所有権保護局は仮想環境で提供されるレストランサービスは第43類の“restaurant service”ではなく、第41類の“entertainment service”と考えている。
・表記“metaverse”および“web3”は認められると考えるが、広範な保護のために“virtual environments”が推奨される(例:entertainment services provided in virtual environments)。

非代替性トークン (NFTs)
・NFTsは商品または役務ではなく、認証手段と見なされる。
表記“non-fungible tokens” または “NFT”は具体性に欠け、認められない。
NFTが認証する商品の正確な性質を指定しなければならない。
・電子資産に関連するNFTは“downloadable digital image files authenticated by non-fungible tokens”のように第9類に分類される。
・NFTが物理的商品に関連する場合、関連する物理的商品の区分に属するべきである。
例えば、NFTにより認証された靴は第25類に該当し、NFTにより認証された美術品は第16類に該当する。
これは英国知的財産庁(UKIPO)のアプローチと同じである。

ブロックチェーン
・ブロックチェーン技術は商品または役務ではなく、商品の特性または役務が提供される手段と見なされる。
表記“blockchain”自体は具体性に欠け、認められない。ブロックチェーン技術が関連している商品・役務の特性を指定しなければならない(例:第9類の“downloadable computer software for blockchain technology”)。
・ブロックチェーン技術に関連する商標は、ブロックチェーン技術の使い道を踏まえて関連する商品役務区分に分類される(例:第36類“electronic funds transfer provided via blockchain technology”、第42類“computer programming of smart contracts on a blockchain”)。

オーストラリア知的所有権保護局の商標実務及び手続に関する今回のアップデートは、オーストラリア知的所有権保護局が最先端技術に関連する商標出願をどのように扱うつもりなのか、必要とされる明確性を示すものであり、実務者や商標出願人に歓迎されるであろう。

商標の調査とモニタリングにおいては、仮想商品・役務の区分は第9類(現実世界商品の仮想同等商品)または第41類(仮想環境で提供される役務)あるいはその両方を考慮することが重要である。

物理的な商品の権利を有するブランドオーナーは十分な保護範囲を確保するために、商標保護を仮想商品に拡大することを勧める。
また、仮想商品・役務に関連する商標の使用が積極的に検討されるよう、執行戦略を見直すべきである。


[出典:Spruson & Ferguson]


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