2023.11.14IP台湾:「誠品」商標権侵害事件、誠品搬家公司は差戻一審で敗訴
台湾:「誠品」商標権侵害事件、誠品搬家公司は差戻一審で敗訴
「誠品股份有限公司(The Eslite Corporation、以下「誠品公司」)」と「誠品搬家有限公司(Champion Moving Company、以下「誠品搬家公司」)」とは商標を巡り長年にわたり法廷での争いが続いており、誠品搬家公司は誠品公司の商標を侵害したとして賠償を請求されており、一審で勝訴したものの、二審では敗訴(賠償金300万新台湾ドル)の判決を受け、最高裁判所は原審に差し戻しを命じていた。
差戻一審では賠償金が追加されて合計600万新台湾ドルの支払いが命じられる判決が下された。判決はまだ確定していない。
誠品公司のオフィシャルサイトにおいて、誠品公司は誠品搬家公司が最近一方的な主張をSNSやメディアを通じて次々と発表しているので、真実を明らかとするための説明が必要であるとの声明を出した。
知的財産及び商事裁判所は2023年8月17日に、誠品公司と誠品搬家公司の商標権侵害事件に関して、誠品搬家公司に「誠品」、「誠品物流」等商標の使用を禁じるとともに、これらの商標を使用した物品の除去を命じ、さらに同社とその責任者に連帯で誠品公司に対する賠償を行うよう命じる判決を下した。
裁判所の判決全文が2023年8月31日に公表され、誠品公司は弁護士による判決理由の要約を以下のように示した。
第一に、誠品搬家公司が誠品公司の登録著名商標を使用することは商標法に違反するものである。誠品搬家公司はこれまで「誠品」商標の登録を取得したことがないが、「誠品」の二文字を使用して会社を設立するとともに対外的に役務を提供しており、しかも「誠品」の二文字を単独で表示したり、文字を拡大して識別として使用したりしている。誠品搬家公司は2006年に設立され、「誠品」商標は1993年、1998年、2000年、2001年に中央標準局(知的財産局)と裁判所から一般消費者(需要者)に広く知られている著名商標であると認定されている。
第二に、誠品搬家公司は営業に使用しているトラック、紙箱、制服及びサイトにおいて、通常顕著な比率で単独で又は拡大して「誠品」の二文字を表示し、消費者は両商標の商品/役務が同一の出所からものあると誤認する、又は両商標の使用者の間に関連企業、使用許諾関係、加盟関係が存在すると誤認する可能性が極めて高い。
また、誠品搬家公司の責任者は「誠品」の名前を借りたことを自ら認めており、「誠品」商標の営業上の信用へ便乗した状況がみられる。
誠品搬家公司の責任者は2010年にインタビューを受けた際に、「誠品書店」の名を借りており、「引越し業界の誠品」になると述べており、またそのブログ、フェイスブック及びサイトにおいてもそのインタビュー内容が幾度も引用されている(2023年9月)。
[出典:台湾国際専利法律事務所]
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