2023.11.14IP日本:【商標の国際出願】標章の国際登録に関するマドリッド協定規則の改正(2023年11月1日及び2024年11月1日施行)
日本:【商標の国際出願】標章の国際登録に関するマドリッド協定規則の改正(2023年11月1日及び2024年11月1日施行)
1.第57回(第25回通常会期)会合において、マドリッド同盟総会は、2023年11月1日に発効する標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書に基づく規則(以下、「規則」及び「議定書」という)第17規則、第18規則、第32規則及び第40規則の改正を採択しました。
2.加えて、マドリッド同盟総会は、2024年11月1日に発効する同規則第21規則、第23規則の2及び第32規則の改正を採択しました。
3.改正された規則の本文は、本Information Noticeの付属書に掲載されています。
2023年11月1日に発効する改正
■暫定的拒絶通報への応答期間の開始日及び終了日
4. 規則第17規則の改正により、指定国官庁は、暫定的拒絶通報において、暫定的拒絶通報に対する再審査請求、抗告、又は応答を提出することのできる期間に関する開始日及び終了日を明示するように要求されます。
この新たな要求は、国際事務局が通報の写しを名義人に送付した日又は名義人が写しを受領した日以外の日を応答期間の開始日とする締約国に対し適用されます。
5. 国際事務局が通報の写しを名義人に送付した日に当該応答期間の起算が開始される場合には、国際事務局は、その通報を名義人に送付した日及び暫定的拒絶通報において関係官庁から示された応答期間に基づき開始日及び終了日を指定します。
6. その応答期間が、通報の写しを名義人が受け取り、及び、国際事務局がその写しを電子的に送付した日に開始する場合も、同様に適用されます。
電子的通信は短時間で完了されます。加えて、国際事務局はその名義人が電子的通信を受領したか否かを即時に確認する配達追跡サービスを使用しています。
国際事務局は、その名義人が、(電子メール送付レポートにより速やかに確認されるであろう)当該電子的通信を、送付されてすぐに受領するものという想定のもと、開始日及び終了日を明示します。
7. 名義人への通報の写しと共に国際事務局により送付されるカバーレターは、応答期間、及び、その通知内で官庁により指定される開始日及び終了日、又は、国際事務局により設定される開始日及び終了日を明示します。
この連絡は、国際事務局から連絡を受けるために名義人が選択した言語によりなされます。
8. 電子メールアドレスに不備がある、受信トレイが一杯であるといったことにより、電子的通信が意図した受領者に届かないわずかな例においては、国際事務局は、便宜上、その暫定的拒絶通報の写しを配達証明付き郵便で送付します。
そのような場合であって、名義人が通報の写しを受領した日に応答期間が開始する場合には、国際事務局はそのカバーレターにおいて開始日と終了日を記載しません。
■暫定的拒絶通報に応答する最低期間
9. 規則第17規則への更なる改正は、締約国に対し、国際登録の名義人に、暫定的拒絶に対する再審査の請求、抗告、又は応答を提出するための、2ヶ月、又は連続した、もしくは暦日で60日という最低期間を提供することを要求します。
10. 規則の新たな第40規則(8)は、締約国に対し、2025年2月1日までに、新たな最低期間の要求を満たすことを求めています。
国内の法的枠組みを改正するなど、更に時間を要する締約国については2025年2月1日より前に、又、新たな締約国については議定書に拘束される前に、国際事務局に通知することによりその義務の発効を更に遅らせることができます。
■暫定的拒絶通報に関する新たな要求に対する不履行
11. 官庁が、暫定的拒絶通報に対する再審査請求、抗告、又は応答を提出するための期間の開始日及び終了日を明示しない場合、改正第18規則(1)(d)により、そのようなものは暫定的拒絶通報とはみなされません。
12. そのような場合、国際事務局は、関係官庁及び名義人にその旨を伝えます。
不備がある通報が送付された日に送付されたものとみなされるためには、関係官庁は、2ヶ月以内に是正された通報を送付しなければなりません。
この場合において、規則は、可能な場合、官庁が新たに応答期限を遅らせることを要求します。
また、官庁が議定書第5条に基づき適用される拒絶期間が満了する前に送付するのであれば、是正された通報を送付する代わりに、新たな通報を送付することもできます。
13. 2025年2月1日以降、又は、改正第40規則(8)に基づき関係締約国により通知された日より遅い日付以降、国際登録の名義人に対し、上述の最低期間の提供をしなかった暫定的拒絶通報も同様とします。
■期間の通報義務及び計算方法
14. 改正第17規則(7)は、締約国に対し、暫定的拒絶通報に対する再審査請求、抗告、又は応答を提出することができる期間を国際事務局に通知することを要求します。
改正第32規則は、国際事務局に対し、この情報をマドリッド制度の利用者及びその他の利害関係者が利用できるよう、これらの通報を国際商標のWIPO公報(以降「公報」とする)において公表するよう求めます。
■先の名義人又は異議申立人の住所
15. 改正第17規則は、締約国がその暫定的拒絶通報において、拒絶の基礎となった先の権利の名義人又はその代理人の住所を記載することが不可能な場合には、その記載を免除します。
拒絶が異議申立てによるものである場合は、異議申立人又はその代理人の住所に関しても同様です。
16. 改正規則は、締約国に、可能な限り、先の権利の名義人又は異議申立人、あるいはその代理人の住所を明示することを引き続き要求する一方、個人情報保護法又は情報の入手不可性等により、そうすることができない締約国については、この要求を免除します。
■規則17(2)の修辞上の修正
17. 明確化のため、現在第17規則(2)(vii)に示されている要件は、同規則の(vii)から(x)にかけて記載を移されます。
2024年11月1日に発効する改正
■規則の対象とならない指定締約国からの通信
18. 第23規則の2の改正により、すべての締約国は、国際事務局に対し、規則の対象外であるあらゆる通信を名義人に伝達するよう要請することができるようになります。
例えば、締約国は改正された規則を利用し、国際事務局に対し、可能性のある措置に関する情報、官庁に対する一定の要件を満たすよう求めるリマインダー、又は名義人が特に関心のある情報を、名義人に送付するよう要請することができます。
19. この改正により、名義人は、国際事務局を通じて締約国からの公式の連絡を受け取り、自身の登録に影響を及ぼす関連する改正について常に情報を入手し、必要に応じて適切な措置をとることが可能となります。
■第21規則及び第32規則の修辞上の改正
20. 第21規則(3)(b)の改正は、締約国が国内登録とそれに代わる国際登録の併存を認めなければならないことを明確にするものです。
第32規則(1)(a)(xi)の改正は、国際事務局は、所定の限定が効力を有しない旨の宣言も公報に掲載しなければならないことを明確にします。
2023年 9 月 19 日
[更新日 2023年11月1日]
• 原文: Amendments to the Regulations Under the Protocol Relating to the Madrid Agreement Concerning the International Registration of Marks in force as from November 1, 2023, and November 1, 2024 (MADRID/2023/26)
参照: WIPO Madrid Information Notices
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[出典:特許庁]