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2023.12.12IP韓国:優先審査申請の要件緩和が2023年末で終了の見通し


韓国:優先審査申請の要件緩和が2023年末で終了の見通し

韓国における商標の優先審査申請の要件に変更がある見通しであり、新規で出願する商標だけでなく出願中の商標に対する韓国での商標権取得戦略の再点検が必要です。

1.優先審査申請の要件の強化
これまで韓国では使用計画や使用実績がなくても優先審査申請が可能でしたが、2024年からは優先審査の要件が強化され、使用計画や使用実績がある場合などに限り優先審査申請が可能になります。
韓国でも日本の早期審査制度と類似する優先審査制度がありますが、商標ではその要件として「特許庁長が告示した専門機関に先行商標の調査を依頼した場合」が含まれており、当該要件は使用計画や使用実績等の証憑書類も不要で確実に優先審査が認められるメリットがあることから、特に商標出願件数の増加で審査結果が出されるまでの期間が大幅に遅延している最近の状況下で、早期の登録を希望する商標出願においてよく活用されてきました。
参考に、専門機関への調査依頼を根拠とした優先審査申請件数は審査遅延の傾向に沿って急増し、2020年1,615件、2021年8,578件、2022年16,253件[1]であり、大部分、優先審査申請後約1~3ヶ月中に審査が行われました。

しかし、優先審査要件を規定している改正予定の商標法施行令では、専門機関の先行商標調査による優先審査を要件から除外しようとしており、改正法施行日となる2024年1月1日以降は当該要件での優先審査申請はできなくなります。
もちろん、2024年以降も「商標を使用又は使用準備中である場合」などの要件に基づいて優先審査申請を行うことは可能ですが、同一類似群コードに属する1以上の具体的な商品につき商標使用事実の立証が必要であるなど、証憑書類を揃えるのが容易でない場合も発生することが予想されます。

2.韓国での商標権取得にかかる期間の再点検
韓国では審査着手までに平均14ヶ月がかかっており[2]、今後も当面はその傾向が続く見通しです。
一方、優先審査の申請は出願時だけでなく、すでに出願中の商標でも申請可能です。
したがって、上記を踏まえると、もし近々韓国に商標出願予定で早期の登録が必要なケースや、韓国に商標出願済みであるものの審査遅延により今からでも早期の登録を図りたいというケースがありましたら、年内に専門機関の先行商標調査による優先審査申請を行って簡便に審査期間短縮の恩恵を受けることをお勧め致します。

[1] 専門機関への調査依頼を要件にした優先審査申請の却下件数:2020年4件、2021年2件、2022年11件(審査着手予想時期が2ヶ月以内に迫った場合には却下されることあり)
[2] 韓国特許庁における商標出願の1次審査処理所要期間:2019年6.6ヶ月、2020年8.7ヶ月、2021年10.8ヶ月、2022年14ヶ月


[出典:金・張特許法律事務所]


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