IPニュース IPニュース

商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2024.05.28IP中国:登録商標の無断変更による使用のリスクについて


中国:登録商標の無断変更による使用のリスクについて

登録商標の規範化されていない使用または不適切な使用は多くのリスクをもたらす。
中国現行商標法において登録商標の無断変更がもたらすリスクを説明する。

登録商標の専用権は、登録済み商標と指定商品役務に限られている。
しかし、登録済みの商標と実際に使用されている商標が完全に一致しないケースがある。
このような場合、商標権利者にいくつかの不利益をもたらす可能性がある。

< 中国では「登録商標の無断変更とは、商標登録権者又は使用許諾を受けた者が登録商標を実際に使用する際に、当該商標を構成する文字、図形、アルファベット、数字、立体標章、色彩の組合せなどを無断で変更したことにより、元の登録商標の要部と顕著な特徴が変更されたことをいう。元の登録商標と比べて、変更後の標識は同一性がないと判断されるおそれがある。」と規定されている。
つまり、商標の使用として容認されるか否かの判断は、登録商標の特徴的要素が変更されているか否かにかかっている。

特徴的要素が変更された場合、商標権利者は以下のような不利益を被る可能性がある。
1.権利侵害のリスク
登録商標権利者が無断で商標を変更し、変更後の商標がその他先行商標と混同されやすいと判断された場合、権利侵害になる可能性が高く、使用した商標は登録商標であると主張してもその主張が支持されないことが多い。

2.登録商標取消のリスク
登録商標権利者が無断で商標を変更した場合、商標を管理する部門は是正を命ずることがあるが、それに従わない場合には登録が取り消される。また、登録商標は正当な理由がなく継続して3年間使用していないとき、第三者は商標局に当該登録商標の取消を請求することができる。
登録商標と変更後の商標が同一ではないと判断された場合は、3年間使用していないと判断され登録が取り消される。

上記を踏まえ、登録商標を変更して使用することは、第三者の商標権を侵害するリスクおよび登録商標の取り消しを受けるリスクがあるといえる。
登録商標権利者は登録商標を規範的に使用する必要があり、無断で商標を分割・組合せ・特徴的要素の変更等は行わず、可能な限り登録商標と同一態様で使用しなければならない。


[出典:LINDA LIU&PARTNERS]


IPニュースの定期購読

IPニュースの定期購読(無料)も受け付けていますので是非ご利用ください。
購読をご希望の方は下のボタンからお申込みください。