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2026.07.07IPインドネシア:商標登録手続の改正


インドネシア:商標登録手続の改正

2026年商標登録に関する法務大臣規則第5号(以下「MOLR5/2026」という)は、従来適用されていた2016年法務人権大臣規則第67号(以下「旧規則」)に代わり、インドネシアにおける商標登録制度の新たな枠組みとして施行された。

MOLR5/2026では、商標出願に関する複数の要件が緩和されるとともに、旧規則では定められていなかった新たな規定が導入されている。
これらの改正は、商標権者および事業者に対し、出願手続上の柔軟性を高めるとともに、手続上の要件を期限内に履行できない場合における法的安定性を提供するものである。

以下、MOLR5/2026における主要な改正点とその実務上の影響について概説する。

1.商標登録手続の迅速化
MOLR5/2026は、基本的な商標出願手続については旧規則と同様の枠組みを維持しているが、登録プロセスをより円滑かつ迅速に進めるため、各段階における処理期間が見直されている。
主な変更点は以下のとおりである。
(a)商標公報への出願公告
•出願日から15営業日以内に公告することが明文化された。
•旧規則では具体的な期間は定められていなかった。
(b)商標証明書抄本(official trademark certificate excerpts)の発行
•当局による受理後、15営業日から1営業日へ短縮された。
(c)商標更新手続
•更新登録の記録処理期間が、申請完備日から2か月以内が4営業日以内へ短縮された。
•更新登録通知書の発行期間が、更新記録日から15営業日以内が3営業日以内へ短縮された。
さらに、実体審査期間についても短縮が図られている。MOLR5/2026では、異議申立てがなされなかった場合には30営業日以内、異議申立てがなされた場合には90営業日以内に実体審査を完了しなければならない。
これは旧規則で定められていた150営業日と比較して大幅な短縮である。
その結果、出願人はより効率的な登録手続の恩恵を受けることが期待される。

2.商標出願要件の改正
MOLR5/2026では、旧規則では求められていなかった追加書類の提出が求められるようになった。
新たに必要となる書類は以下のとおりである。

(a)有効な本人確認書類
以下のいずれかを提出する必要がある。
•国民IDカード
•一時滞在許可証(KITAS)
•永住許可証(KITAP)
•児童身分証明書(KIA)
(b)法人の場合
法人設立認可書または法人変更認可書
(c)小規模・零細事業者(MSE)の場合
MSE資格を証明する以下のような資料
•所轄官庁による推薦状
•リスクベースの事業許可制度に基づく許認可書類

(a)の本人確認書類については、MOLR5/2026上に明文規定はないものの、実務上は外国出願人について提出が免除されているようである。

また、出願人は、商標登録手続の遅延を回避するため、上記追加書類を含む必要書類をあらかじめ準備しておくことが望ましい。
なお、法務省は知的財産総局(DGIP)を通じて、MOLR5/2026に基づく商標出願に適用される書類要件および手続要件を明確化するための追加指針を準備している模様である。

3.出願係属中商標の譲渡
MOLR5/2026では、登録前の係属中商標出願の譲渡が明示的に認められた。
旧規則では登録済み商標の譲渡のみが規定されており、出願係属中の譲渡に関する規定が存在しなかった。

譲渡申請は以下の事由に基づき行うことができる。
•相続
•遺言
•贈与
•契約
•その他法令で認められる事由

さらに、MOLR5/2026は、同一出願人が同一又は類似の商品・役務について複数の係属中出願を保有している場合、それらの出願はすべて同一の譲受人へ譲渡しなければならないと定めている。

譲渡申請を受領した場合、DGIPは15営業日以内に当該譲渡申請および添付書類を審査する。
当局が当該譲渡申請を完全かつ有効であると認めた場合、当局はDGIPを通じて当該の譲渡を承認する。

出願手続中の商標について譲渡申請を行った場合、譲渡に関する決定通知が発行されるまで実体審査は停止される。
そのため、商標出願に影響を及ぼし得る権利譲渡、企業再編等の各種手続きを計画する際には、当該譲渡手続による審査遅延の可能性を考慮する必要がある。
実体審査は譲渡申請に関する判断の後に再開される。

4.不可抗力による期限延長制度
MOLR5/2026では、旧規則には存在しなかった不可抗力(Force Majeure)による期限延長制度が新設された。
不可抗力事由には、以下が含まれる。
•戦争
•革命
•暴動
•ストライキ
•自然災害
•その他これらに類する緊急事態
期限延長の対象となる手続には、例えば以下が含まれる。
•商標出願
•出願人名義・住所変更
•出願係属中の譲渡
•商標更新手続
延長を希望する者は、不可抗力事由を裏付ける証拠を添えて当局へ申請を行う必要がある。
申請が認められた場合、未履行の要件を満たすための追加期間が付与される。
もっとも、延長後の期限内にも要件を満たさなかった場合には、出願が取り下げられたものとみなされるほか、手続を継続できなくなる、又は新たな出願が必要となる可能性がある。


[出典:Alizia&PartnersLawOffice]


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