トルクメニスタンでは2019年06月19日商標法が改正され、以下の変更が行われた。

・商標の定義変更
改正法では、商標について「商品、作品、役務を識別できる言語、図形、又は立体又は色の組併せ、或いはこれらの結合」と定義された。旧法において、非伝統的商標を示す「other designations」
が言及されていたが、改正法では含まれておらず、これらの商標は保護されないことになる。また、旧法において「service mark」の用語も使用されていたが、改正法においては広く「trademark」で表示されている。

・著名商標
旧法にあった著名商標の保護について、改正法は条文を削除しており、今後著名性はあるが登録されていない商標の保護が難しくなる。

・拒絶理由
改正法において、以下が新しく拒絶理由に含まれた。
国名、国際機関やこれらから派生した名称。旧法において、これらの用語は関連機関からの承諾がある場合、ディスクレームが可能であった
商品の品質、タイプ、量、用途、価値、生産地・方法や販売等、商品の特性に関する用語。これらの用語は旧法において、ディスクレームが可能であった。

・審査期間
方式審査：出願日から2月以内に方式審査を開始しなければならない。旧法においてはこの期限は定められていなかった。
実体審査：方式審査終了後開始しなければならないが、優先日より6月以内に開始してはならない。旧法では実体審査は出願日から12月以内に終了することを義務付けていたが、改正法では開始のみ規定されている。
早期審査：出願人は出願日から10営業日以内、又は方式審査の査定後20営業日以内であれば、早期審査を請求することが可能である。

・取消
改正法において、以下が無効理由に含まれた。
事業活動を営んでいない自然人によって登録された商標
登録された原産地名称と同一又は混同を招くほど類似する商標
パリ条約加盟国における商標所有者の代理人又は代表者によって登録された同一商標
類似商品又は役務について登録された、競合者と同一又は混同を招くほど類似の商標

・商標に関する紛争と不服申立て
改正法では、トルクメニスタン商標庁の不服申立委員会又は裁判所の決定によって商標登録が取り消されることが明記されている。