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2019.12.10IP台湾:商標法改正へ


台湾:商標法改正へ

台湾では特許法に続き、商標法についても2018年から改正が検討されており、先般その改正案が公表された。これは今後変更される可能性があるが、現時点で判明している主な改正は以下の通りである。
第6条:代理人資格
商標に関する手続きは出願人自ら行うこともできるが、代理人を選定することも可能である。現行規定では商標の代理人について、国内に住所を有することのみを条件としており、弁理士や弁護士以外の者も商標の代理人となることができる。極端に言えば、商標について何ら知識のない者でも、商標に関する代理人となることができるのが現状である。これは、商標を専門とする資格が存在しないことに起因すると思われる。
改正案では商標の代理人となることができる者は、弁護士や会計士など商標代理業務を行うことができると法律で規定されている者か、商標に関する専門知識を有する者に限る、とされた。こうした者の具体的な条件については、まだ明らかにされていない。
第19条8項:加速審査
現在、商標には日本の早期審査のような審査期間を短縮する方法は存在しない改正草案では、権利の即時取得が必要な場合は、申請により加速審査が行われることが規定された。具体的な要件については未定だが、台湾特許庁の資料には権利の即時取得が必要な場合の例として、侵害訴訟を提起されたため権利取得を要する場合や、商品の販売に対応する特殊な需要がある場合等が挙げられている。なお、加速審査の申請には、庁費用の納付が必要である(改正草案第104条)。
第36条第1項第2号:フェアユーズ
商標権の効力が及ばない範囲は第36条に規定されているが(日本商標法第26条に相当)、ここにNominative fair useに関する内容が追加された。改正案では第三者が商標権者の商品役務について言及するために、商標権者の商標を使用する場合、混同誤認の虞がないない限りは、商標権の効力を受けないと規定されている。
第58条2項:無効審判の除斥期間の対象
現行規定では、一部の無効理由について5年間の除斥期間が定められている。今回の改正草案では、5年間の除斥期間の対象となる無効理由が大幅に追加されている。追加された無効理由は以下のとおりである。
・外国人の権利の享有(第4条)
・商品役務について慣用されている商標(第29条第1項第2号)
・商品役務の機能を発揮するために必要なもののみからなる商標(第30条第1項第1号)
・その他公益的理由(第30条第1項第2~8号)
・他人の著作権、特許権又はその他の先の権利を侵害し、判決によりそれが確定した場合(第57条第2項)

また、これまで異議申立てを廃止し無効審判に一本化するという方向で改正案の作成が進められていたが、今回公布された内容において異議申立ては廃止されずに残っている。説明資料によると、台湾特許庁では拒絶査定後の行政不服制度の見直し(訴願の廃止)、無効審判の当事者審理制への移行を検討しており、現時点で異議申立てを廃止すると、行政不服制度見直しや当事者審理制への移行との整合性が取れなくなる恐れがあるため、異議申立ての廃止を見送ったとされている。

詳細が判明次第、IPニュースでもお伝えする予定である。


[出典:Wisdom International Patent & Law Office]


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