2020.01.28IPARIPO: バンジュール議定書改正
ARIPO: バンジュール議定書改正
2019年11月、リベリアで開催された第43回理事会において、バンジュール両議定書の改正が採択され、2020年01月01日より施行された。改正は2020年01月01日より前に申請された出願には影響を及ぼさない。主な改正点は以下の通り。
使用者の登録:バンジュール議定書第2.3条では、出願は使用又は使用意思宣誓書或いは使用許諾者の登録申請を提出しなければならなかったが、使用許諾者の登録申請の提出は不要となった。
失効した登録商標:一定要件に基づいて回復が可能であることが明記された。
出願費用:出願から21日以内に、USドルで支払わなければならないことが規定された。但し、ARIPO加盟国国民であれば、自国の通貨で支払うことができる。
異議申立の請求人:以前は「何人」も請求可能であったが、改正法では「利害関係人」に限定される。
異議申立請求手続:公告から3か月以内に、関連国の国内法令に従って請求しなければならない。請求先はARIPOになるが、ARIPOより関連国の当局にも写しが送付する。関連国内当局は、審理後決定をARIPOと当事者双方に送付する。
異議決定に対する不服申立は関連国の国内法令に従って審理され、国内当局はその結果についてARIPOに通知し、ARIPOはその結果を公告する。
バンジュール議定書の改正と同時に特許に関するハラレ議定書も改正された。
ARIPOの商標登録制度について、加盟国の多くがいわゆる「コモンロー」の国であり、国際条約を国内法令に導入する前に、「国内化(domestication)」と呼ばれるプロセスが必要となる。このため、ARIPO加盟国の多くの国が未だバンジュール議定書を国内法令に取り込んでおらず、そのため、ARIPO商標を登録した場合でも、それが有効であるのか、加盟国において権利行使可能であるか曖昧であった。
改正はこの状況を踏まえ、ARIPO商標登録制度の活用を促すものであるが、これによりARIPOの商標登録制度が活性化するかは不明である。
[出典:spoor & fishers]