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2021.02.24IPメキシコ: セカンダリーミーニングの適用から現在まで


メキシコ: セカンダリーミーニングの適用から現在まで

メキシコで「獲得した識別力(acquired distinctiveness)」(一般には「セカンダリーミーニング(二次的な意味)」とも呼ばれる)は比較的新しい概念で、2018年の産業財産法改正までは認められていなかった。
改正法の規定に基づき、「商標が、出願がなされる商品又はサービスについて、取引における使用によって識別力を獲得した(trademark has acquired, for the goods or services for which it is applied, a distinctive character derived from the use made of the same in commerce)」場合、登録が可能である。

セカンダリーミーニングの概念は導入されたものの、具体的な証明方法については規定されていない。
現在、新たな産業財産規則の導入に向けた動きがあり、これには出願時に、識別力を獲得したことを主張しそれを示す書類を提出できる選択肢が含まれる予定である。
現在そのような選択肢が出願書類に明示されているわけではないため、新規則の発効までは出願書類とは別に識別力の獲得に関する書類を添付したほうがよいであろう。

メキシコでのセカンダリーミーニング導入を検討するにあたっては、アンデス協定に規定されている獲得した識別力の定義に目が向けられたが、商標がセカンダリーミーニングを獲得しているか否かの判断方法について、アンデス協定決定第486号には大まかなガイドラインがあるのみで、明確な証拠資料のリストやセカンダリーミーニング獲得に要する期間が示されているわけではない。
結果的に、獲得した識別力の立証に必要となる証拠の判断は、商標局の自由裁量に拠るところが非常に大きい。

メキシコの法律上、セカンダリーミーニング獲得に要する具体的な期間は規定されていないが、使用猶予期間に関する規定はあり、不使用による取消請求は登録から3年が経過して初めて可能となる。
この期間がセカンダリーミーニング獲得にも適用できる可能性があることを示唆し得るが、裁判所はケースバイケースで判断を下す可能性が高い。

使用証拠に関しても明記されていないが、改正知的財産法は異議申立、侵害、及び取消請求において様々な証拠提出の権利があるとしている。
それらの証拠には公的または私的な文書、宣言書、専門家の意見、監査資料、広告費、調査証拠、市場調査、及び消費者反応調査が含まれる。

獲得した識別力に関する規則が導入されるまで、出願人は知的財産法の類似点を探すことをお勧めする。
周知または著名商標に関する章には、証拠として提出すべき様々な情報がリストアップされている。
証拠は、出願人が一定期間ブランドを広めるために努力し、商標が消費者の間で認識されていること示す必要がある。


[出典:Arochi & Lindner]


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