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2006.10.10IPセルビア・モンテネグロ:新商標法制定に向けての動き


セルビア・モンテネグロ:新商標法制定に向けての動き

1. モンテネグロ共和国独立による商標の保護

2006年6月にセルビア・モンテネグロ連邦国家から独立を果たしたモンテネグロ共和国では、暫定処置としてセルビア・モンテネグロで施行されていた商標法をそのまま適用する。モンテネグロ共和国内にて商標庁が設置され、新商標法が施行された場合にも暫定処置としてセルビア・モンテネグロ連合国家時代の既得権の有効化に関する何らかの猶予措置がとられると思われる。
モンテネグロ共和国内では、すでに税関等における差押えに関する法律が施行されており、モンテネグロ共和国内での模倣品対策を講じる場合には、モンテネグロ国内での税関監査通知と市場監査局通知の登録が必要である。

2. コソボ

名目的には未だセルビア・モンテネグロ連合国家に属するコソボ自治州だが、実質的には独立国家として活動を開始しており、2006年夏、商標法が公布された(但し、施行時期は未定)。コソボ自治州にて商標権を確保する必要がある企業には、マケドニア・アルバニア国での商標登録を検討することをお勧めする。これはコソボ自治州がセルビアよりもマケドニア・アルバニア国と密接な関係にあるため、これらの国での既登録商標が、そのままコソボにて有効とされる可能性があるからだ。なお、現在草案中のコソボ関税規則によると、「模倣品」にはいずれの国においても有効に登録された商標と同一の商標を付した商品が含まれる。つまりコソボ内の商標登録がなくとも他国における商標登録に基づいて権利行使が可能。

解説

「セルビア・モンテネグロ」ってどこ?こう思った人も「旧ユーゴ」といえば分かるだろう。内紛の耐えないこの地域は2003年、連合国家「セルビア・モンテネグロ」と国家名を改称した。が、セルビア勢力が強かった同国家から、ついに2006年6月にモンテネグロ共和国が独立。コソボ自治州も現在セルビアからの完全独立を求めている状態。

2006年6月のモンテネグロ独立は、日本国政府もすでに承認済み。現時点では貿易実績はわずかだが、日本企業の中にはモンテネグロ地域内に工場を買収し稼動させているところもある。
こんな状況だから、政府も国も経済も法律も不安定な要素が多数あるのが実情だ。モンテネグロ共和国は独自のホームページにて現在の国家の状況、施行した法律等の情報を提供しているようだ。動向を確認するなら


[出典:SD PETOSEVIC]


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