2009.04.07IPドミニカ国:新商標法の施行
ドミニカ国:新商標法の施行
ドミニカ国において"Marks, Collective Marks and Trade Names Act of 1999(商標、団体商標、商号に関する1999年法)"と呼ばれる新法令が、2009年2月1日より施行されることとなった。
この法令では、ドミニカ国内出願と既存のイギリスでの権利をベースとした出願登録の二重構造を撤廃している。既存のイギリス登録商標をドミニカで登録できる最終期限は、新法令の施行から1年後の2010年2月1日までとなる。
イギリス登録ベースによる出願
新法令の暫定規定として、新法令の施行日である2009年2月1日までに、イギリスにおいて登録または出願した商標をもつ権利者は、新法令の施行から12ヶ月以内であれば、新法令のもと同一商標の登録出願を行えるという条項を設けている。
上記にあたる出願は、イギリスにおいて出願または登録を受けた出願日または優先日が与えられる。
新法令に基づくドミニカ国内出願
旧法令は無効になるが、既存の登録は残存期間が終了するまでは有効であり、新法令の元で更新される。
いくつかの大きな法改正は以下の通りである。
- 新法令では、存続期限を出願日から数えて14年から10年に変更。続く更新も同様に、継続して10年の更新とする。
- 知的財産官や登録官は、2009年2月1日以前に旧法令の下で申請されたイギリス出願及びそれ以外のベース出願で、2009年2月1日以降公告または登録された出願は、新法令の下で登録されると考え、出願日より10年間を登録期間とする。
- パリ条約による優先権主張が行えるようになる。
- 国際分類第9版が適用され、多区分出願が認められる。
- 既存の国内登録は、更新の際に書換えを行わなければならない。
- 3年以上の継続的な不使用商標は、不使用取消審判の対象となる。
- 使用許諾契約は、第三者対抗要件の為に登録しなければならない。
- 使用許諾契約は、使用許諾者による指定商品・役務に関わる品質管理を含んでいなければならない。当該条項がない又は実際に品質管理が行われない場合、使用許諾契約が無効となったとみなされる。
- 団体商標は登録対象商標である。団体商標の使用規定書の写しは、出願と同時に提出する必要がある。
- 団体商標は、使用許諾契約の対象とはならない。
- 解説
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本件は、ドミニカ国(the Commonwealth of Dominica)商標法についてです。ドミニカ共和国(the Dominican Republic)についてではないので、ご注意ください。
改正の内容は、優先権主張、国際分類、多区分出願、団体商標などを認めるというように、諸外国の制度にハーモナイゼーションする大改正です。ドミニカ国で権利取得している又は権利取得を希望する日本企業には大きなニュースです。特に、イギリス登録を基礎とする権利化を図る場合には、2010年2月1日までの出願が必要となります。
もっとも、そのような対応が必要となる日本企業がどれほどあるのかは甚だ疑問ではありますが。
[出典:Lysaght & Co.]
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