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2009.08.04IP台湾:「卸売サービス(wholesale services)」が登録可能に 他


台湾:「卸売サービス(wholesale services)」が登録可能に

従来、台湾では、第35類の役務として「小売サービス(retail store services)」は認められていたものの、「卸売サービス(wholesale services)」は認められていなかった。しかし、台湾知財局はこのほど「卸売サービス(wholesale services)」を第35類の役務として認めると発表した。
台湾知財局は「指定可能な商品及び役務マニュアル」に「卸売サービス(wholesale services)」を追加した。従って、今後は台湾において「小売サービス及び卸売サービス」の両方を指定し、出願できることになる。

解説

台湾知財局が何故頑なに「卸売サービス(wholesale services)」を第35類の役務として認めようとしないのかについては、台湾の知財関係者の間でも疑問が生じていました。台湾のある審査官によれば、「今回の発表は、国際分類第9版の第35類において『wholesale services』が明確に言及されていることによる。」とのことです。なお、台湾における「卸売サービス(wholesale services)」に関する商標の審査は、今後改訂される小売等サービスに関する審査基準に沿って行われることになります。


[出典:Jaw Hwa Internatinal Patent & Trademark & Law Offices]


アフリカ諸国の改正

スーダン:委任状に関する新規則の採用

スーダン商標庁は委任状に関する新規則を発表した。今後提出される委任状は全てスーダン領事館での領事認証が必要となった。新規則は2009年7月1日に 発効となる。なお、今回の改正により、スーダンにおける商標出願には以下の書類が必要となる。

a)委任状(領事認証)
b)登記簿抄本(領事認証)
c)商標の所有者及び当該所有者に関する情報に変更がないことを記載した宣誓書(登録時に提出)

[出典:NJQ Associates]

ウガンダ:国際分類第9版の採用

ウガンダでは6月中旬に国際分類第9版の採用に関する指令が発せられた。
それによると、現在議会で審理されている法案が可決され、新法が施行された後に、ウガンダで国際分類第9版が採用されるようになる。従って、残念ながら現段階ではウガンダにおいてサービスマークを登録することはできない。

[出典:Lysaght & Co.]

解説

スーダンに提出する委任状は、従来は代表者の署名のみで認められていましたから、今回の改正は手続やコストの面で出願人の負担を増やすことになります。出願書類に関する要件を緩和する国が増えつつある中で、今回の改正にはやや疑問が残るところです。
ウガンダでは、2009年末に法案が可決されることが予想されていますから、2010年中にはサービスマークに関する商標出願が可能になると思われます。今後の動向には留意しておく必要があるでしょう。



中近東諸国の改正

リビア:必要書類の緩和

リビア商標庁は、2009年6月、出願時の必要書類に関する新規則を発表した。
それによると、従来は、外国の出願人がリビア領事館で領事認証を受けた委任状は、更にリビア国内において外務省の認証を受けなければならなかったが、今後このリビア国内における認証手続は廃止される。これに付随し、リビア国内における出願書類のアラビア語への翻訳と当該翻訳に対する認証手続も廃止される。

[出典:NJQ Associates]

イエメン:公告費の値上げ

イエメン通商貿易省は、2009年3月から公告に関する費用を60%値上げするとの省令を発した。ただし、2009年2月9日以前に出願された商標については、本省令の発布日から3ヶ月間は、未だ公告に至っていない段階であっても旧料金を支払うことができる。イエメンでは、商標出願は二度公報に掲載される。一度目は異議申立のためであり、二度目は登録後である。
更に、更新及び出願時の追加サブクラスに関するオフィシャルフィーも同様に値上げされた。

[出典:NJQ Associates]

解説

リビアで発表された出願書類に関する新規則は、手続やコストの面で出願人の負担を大きく軽減します。出願書類に関する要件を緩和する国が増えつつある傾向に沿ったユーザーフレンドリーな改正といえます。ただし、出願人の本国における領事認証は依然として必要になるようです。

[解説:大野総合法律事務所] 弁理士 / 中村 仁、大橋啓輔、土生真之]



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