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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
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2013.03.12IPエチオピア:新商標法続報 他


エチオピア:新商標法続報

2013年2月13日号でお伝えした新商標の施行について、この都度エチオピア商標庁と面談を行った代理人から最新情報が入った。

今回の施行で問題となっている、旧法下で登録された商標の再登録について2013年2月に実施規則が発せられ下記のように定められた。

新商標法が発効された2006年7月6日以前に申請された商標は全て再登録しなければならない。
これは実際には新出願と同じであるが、既に登録された情報があり、それが現在の登録要件を満たしている場合は、その他の必要書類は発生しない。

2006年7月7日から2012年12月24日までに申請された出願・登録商標については、再登録手続きは不要だが、補正手続き(amendment process)が必要である。
これらの商標については、新商標法に基づく7年の登録証が発行され、以後7年毎の更新となる。

これらの手続きは18か月の優先期間内に行われるが、最新の情報によればエチオピア商標庁の人員不足等の理由で延長される見通しである。
現在、同庁は再登録又は補正手続が必要な商標のリストを作成しており、各代理人に送付する予定である。
即ち、現時点では、商標権者は再登録・補正手続きのどちらも自発的に行うことはできない。
弊社では当該リストが届き次第、弊社クライアントへ発送する予定である。


[出典:Adams & Adams]


リビア:継続案件の処理再開

リビア商標庁は2002年から2003年までに出願された商標について、登録証の発行を開始したと発表した。

同庁では2002年から政治事情により、商標の審査が中断されていた。
但しこれは既に出願済みの商標のみに関するもので、新規出願の受理は開始されていない。


[出典:Abu-Ghazaleh]


イエメン・レバノン・UAE:オンラインサービス開始

イエメンでは2013年2月14日からオンラインによる出願等が可能となった。

レバノンも同様のサービスを開始しており、これは24時間アクセス可能となる。

UAEではオンラインサーチシステムが開始されたが、現在は同一商標のみ検索可能である。


[出典:Abu-Ghazaleh]


イラン・コロンビア・モーリシャス:オフィシャルフィー変動

イラン商標庁は経済封鎖の影響により、今後海外出願人からのオフィシャルフィーをEURO又はスイスフランでのみ受理すると発表した。

これは実質的にはオフィシャルフィーの上昇ではないが、今後両通貨の為替率の変動により、オフィシャルフィーが都度変わる可能性がある。

コロンビアでは2013年1月より商標庁が文部省が認可した公立・私立大学、中小企業についてオフィシャルフィーを50%下げることになった。

モーリシャスでは同じく2013年1月1日よりオフィシャルフィーが5%上昇した。


[出典:Raysan Patent & Trademark Agents, Triana,Uribe & Michelsen, De Comarmond & Koenig]


リトアニア:商標法改正(続報)

2012年12月11日号でお伝えしたリトアニア商標法改正について、詳細が判明した。

  • 現行法では著名商標、名声を有するCTM商標のみ非類似の指定商品又は役務を保護する第三者商標に対しても保護されるが、改正法下ではリトアニア国内で名声を有する国内商標、同国を指定する国際商標も保護される。
  • 手続の簡略化のため出願費用を出願日の1か月以内に支払うことが可能となる。
  • 商標の譲渡は、これにより消費者を欺罔する虞がある場合、譲受人が必要とされる使用許諾(国家のシンボルの使用等の場合に求められる)を提出しなかった場合認められない。
  • 商標の使用許諾は登録されていない場合でも第三者対抗要件を有する。
  • 無効審判について、条文を明確化し先行商標の所有者がその存在を知りながら後願商標の使用に対して、その登録後5年間異議申立をしなかった場合は無効とすることができないとした。
  • 不使用取消請求の根拠について、旧法にあった「商標が登録から5年以上経過しても本格的な使用開始準備に入っていない場合」が削除され、「5年間使用されていない場合」のみとなった。

[出典:SD PETOSEVIC]


中国:優先権書類に関する審査の厳格化

中国商標庁は2013年2月16日付で、優先権書類の審査を厳しくする旨の通知を出した。
これにより、優先権書類と出願内容が不一致の場合、優先権主張が無効となる。

これまでにもしばしば指定商品・役務、商標の態様等に不一致が見られており、これまではこのような場合、優先権書類に記載のものと一致させるか、一部削除が求められていた。

しかし今後はこのような補正の機会がなく、内容が不一致と認められた場合、優先権主張が無効となる。


[出典:China Patent Agent (HK) Ltd.]


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