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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2014.09.09IP中国:分割出願に関する公布 他


中国:分割出願に関する公布

2014年05月01日から施行されている新商標法は、その第22条において分割出願の制度を導入している。これについて、施行細則において「商標局が一部の指定商品における出願商標の登録を拒絶した場合、出願人が予備的査定された部分を別件の出願として分割できる。分割された出願は、元の出願日を留保する」と規定している。
商標局は2014年08月20日付で更に分割出願について下記を公布した。

  1. 商標局は一部を拒絶した際、その通知に分割出願の書式を添付する。
  2. 出願人が分割出願を希望する場合、当局の通知受領日から15日以内に当該書式を添付し、申請しなければならない。当該期間内に申請されなかった場合、分割を希望しないものとみなされる。
  3. 分割後、予備的査定された部分は新たな出願番号が付され、元の出願日を留保し公告される。元の出願番号は拒絶された部分に付され、再審請求となる。
  4. 分割出願はこの一部拒絶を受けた時、一度に限り申請できる。他の段階において分割出願を申請することはできない。
  5. 分割出願に伴うオフィシャルフィーは発生しない。
  6. 一度申請した分割出願は撤回することができない。

出願人が分割を希望せず再審請求した場合、再審請求によって拒絶が克服されるまで全体が登録とならない。また、そのまま拒絶査定を受け入れた場合は従来通り、予備的査定された部分のみが登録となる。


[出典:Peksung Intellectual Property Ltd]


アルゼンチン:タバコ関連の区分に関する商標の制限

アルゼンチンでは2011年06月にタバコ商品の宣伝・広告・消費に関する規則が採用され、その第13条で、
”Light” “Milds” “Low-tar” “Low-nicotine”その他の類似表現を商標に使用することが禁じられた。
アルゼンチン知的財産局は2014年07月、特に第34類の指定商品(タバコ、喫煙用具、マッチ)について、特に
”Light” “Milds” “Low-tar” “Low-nicotine”その他の類似表現を単独で、あるいはその他の用語と組み合わせて商標として使用することを禁止した特別規則を採用した。


[出典:Estudio Chaloupka]


アメリカ:猿は著作者となれるのか

猿が自分自身を撮影した写真には著作権があるのか。最近、各メディアで大きく取り上げられた著作権論争について、アメリカ著作権庁は、動物によって作られた作品は知的財産保護の対象にはならないとの見解を示した。
争点になっていたのは、2011年にインドネシアの森林で撮られた歯をむき出しにして笑うような表情の猿の写真。イギリスの写真家のデイヴィッド・スレーター氏が持っていたカメラをサルが奪い、自分で撮ったいわゆる「セルフィー(Selfie)」と呼ばれる写真である。この写真をスレーター氏がネットでシェアしたところ、面白くかわいいものであったため大変評判となり、Wikipediaにも掲載された。写真家側は「写真の著作権はカメラの所有者である自分にある」として掲載削除を求め、また同人に写真の著作権料の支払いを要求していた。これに対し写真を掲載しているWikipedia財団は、サルが撮影した写真である以上、写真家に著作権はないと主張し、無償利用を認める大量の画像の1つとして掲載を続け、真っ向から対立していた。
この問題について、アメリカ著作権庁は2014年08月19日、「アメリカ著作権局実務第3版」(ガイドライン)において、アメリカの法律において、人間が創造した作品のみが著作物として認められるとの見解を示した。

この著作権問題の核心は、猿が法律上「人」として考えられず、「人」だけが「作者」となり得ることだが、写真家についての著作権はより複雑である。
写真の著作権は、その写真の主題、レンズの選択、被写体との角度、具体的な構図の選択、露光やシャッタースピード、フォーカスの設定、ライティング、撮影時間、シャッターチャンスなどを総合的に判断し、それらの要素に創作性がある場合にそれらを担った撮影者に認められる。
本件について、写真家が著作権を要求するには、最終画像について「多大な貢献」を行うことが必要であり、たとえその場合であっても、写真家は改変した部分についてのみ著作権を有し、元の画像については著作権を有さない。
スレーター氏は「私がカメラを取り返すまで、猿は何百回もシャッターを押したに違いないが、ピントがあっているものはそれほど多くはなかった。」「シャッターボタンを押したのは猿だが、全てのお膳立てをしたのは私である」と主張していたが、著作権が発生するか否かはあくまで「創作的な表現か否か」で判断され、その表現に費やした金額や労力は原則無関係とされる。著作権法ではこれについて、「額の汗」を保護しない、という。

ところで、スレーター氏は英国人であり、英国の法律下では同氏にも知的財産権を主張できる可能性があるという。たとえ同氏がシャッターを押していなくても、その写真が同氏の「知的創造物」の一部である場合だが、英国においてそのような訴訟はまだ裁判所で審理されたことがないという。


[出典:The guardian.com]


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