2015.07.14IPEU:クラスヘディングで登録されたCTMに関する新規則 他
- EU:クラスヘディングで登録されたCTMに関する新規則
- アンゴラ:商標に関する包袋提出要請
- インドネシア:商標法改正へ
- トリニダード・トバゴ:商標法改正
- ウクライナ:商標法改正及び著作権に関するオンライン制度導入
- オマーン:必要書類のレートファイリング可能に
- マドプロ・カザフスタン・フィリピン:オフィシャルフィー上昇
- カザフスタン:特許庁引っ越し
EU:クラスヘディングで登録されたCTMに関する新規則
IP Translator事件をきっかけとするクラスヘディングに関する慣例の変更について以前お伝えしたが(2012年7月24日号)、当時の慣例で直接影響を受けるのは2012年06月21日以降に出願されたCTMのみであった。
同日以前に出願・登録されたCTMについて、先日CTM規則改正草案が公布され、今後同日以前に出願・登録されたCTMについても指定商品の明確化が必要になる。
新規則によれば、クラスヘディングの指定商品・役務リストに基づき2012年06月21日以前に出願・登録されたCTMについて、商標権者は新規則施行日から6カ月の間にクラスヘディングで保護する具体的な指定商品・役務を出願時有効であった国際分類表に基づき特定した宣誓書を提出できる。
宣誓書が提出されなかった場合、クラスヘディングの商品・役務はその文字通りの指定商品・役務を保護するものとして処理される。従って、クラスヘディングに基づき、指定商品リストに明確に記載されていない商品を使用している場合、第三者の商標権を侵害する、又は自身の商標権を第三者から保護できない可能性が生じる。
従って、該当するCTMを所有している場合は新規則施行以前に指定商品・役務リストを見直し、足りない指定商品・役務がないかの確認、場合によっては新規出願することをお勧めする。
宣誓書の提出によって審査はあるのか、その具体的な手続はどうなるか等不明点が多く、現在確認中である。また弊社でお預かりしている該当案件に関しては弊社業務部より別途ご案内する予定である。
[出典:K&L Gates LLP]
アンゴラ:商標に関する包袋提出要請
アンゴラ知的財産庁は同庁の手続合理化を推進するため、願番1-5000までの案件について、以下の提出を求めている。
- 出願書類、出願受理書のコピー
- 委任状
- 出願人の本国における営業証明 例:登記簿抄本
- 登録証
- 出願・更新費用の支払証明
以上はポルトガル語に翻訳し公証の上提出が求められる。また委任状については領事認証が必要となる。
提出期限は2015年06月01日から09月29日までで、書類の提出がなかった場合、案件は放棄されたものと見なされる。
今回の通知に関しては対象案件は出願中のもののみというもの、更新済のものも含みというもの、2つの情報がある。弊社が調べたところ、アンゴラ知的財産庁自体が2つの異なる通知(AVISO)を掲載しており、出願中のもののみを対象とした通知では登録証と支払証明は要求されていない。現在どちらの情報が正しいか確認中である。
弊社クライアントで該当案件を所有するお客様には別途ご案内する予定である。また、今回の通知は5000番までであるが、今後この番号以降の案件についても提出が求められる可能性はある。
[出典:J. Pereira da Cruz S.A., Raul C?sar Ferreira (Herd.) S.A]
インドネシア:商標法改正へ
インドネシアでは商標に関する改正法案が2015年06月10日議会に採択され、今年度末には発効される予定である。新法においてはとりわけ審査期間の短縮に重点が置かれ、例えば審査期間を8か月以内にする等、手続に有する期間を定めている。
また、音、匂い、立体商標等の新しいタイプの商標も導入される予定で、マドプロへの導入を目指した改正が行われる。
詳細が分かり次第、IPニュースでも続報をお伝えする。
[出典:Spruson & Ferguson]
トリニダード・トバゴ:商標法改正
トリニダード・トバゴではマドプロへの加盟を目指し、2015年04月13日付で改正商標法案が議会で採択された。
その主な改正点は以下の通り。
- 著名商標の保護拡大
- 水際対策の強化
- 団体商標の導入
- ニース国際分類第10版の採用(現在同国では第7版、42区分制が採用されている)
- 不使用取消の請求を登録から3年から5年に変更
尚、改正法発効時に未だ公告となっていない商標出願は、発効から6カ月以内に所定の費用を支払うことにより新法への移行を申請できる。旧法下で登録された商標に関して、ディスクレームや制限はそのまま有効であるが、連合商標に関しては解消される。
改正法は早ければ今年度末に施行される予定である。
[出典:Caribbean IP]
ウクライナ:商標法改正及び著作権に関するオンライン制度導入
2015年05月21日、ウクライナでは『ウクライナにおける共産主義及びナチスの全体主義体制及びこれらに関する標章の宣伝禁止に関する法律』が発効し、これに伴い商標法が改正され、共産主義及びナチス体制に関連する全ての標章の登録が禁じられた。
具体的にはこれらの標章の登録禁止が商標法第5条1項、2項及び第6条5項で明確にされ、更に該当する標章を構成要素として含む登録商標に関しては新法に沿うよう手続を求められている。しかしながら、改正法ではこの手続について特に定めれらていない。
また、同国において著作権に関して創作日の登録制度があるが、これについてオンライン登録制度の導入が決定された。
[出典:SD PETOSEVIC]
オマーン:必要書類のレートファイリング可能に
オマーンでは、商標出願、更新、変更登録、名義変更及びライセンス登録の申請について必要書類のレートファイリングが可能となり、申請日から60以内の提出が可能となった。ただしレートファイリングの場合は遅延金を支払わなければならない。
[出典:JAH & Co.,IP]
マドプロ・カザフスタン・フィリピン:オフィシャルフィー上昇
WIPO局長はスイスフランと一部の国の通過の公式為替レートの相違に基づき、一部の指定地域・国に関するスイスフランの支払いについて価格の上昇を決定した。対象となる国と地域は次の通りである:OAPI、CTM、オーストラリア、ベネルクス、ブルガリア、コロンビア、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、アイルランド、イタリア、モルドバ、スウェーデン、シリア。新費用は2015年07月04日から適用される。
カザフスタンでは2015年06月11日付で商標に関するオフィシャルフィーが20-100%上昇した。
フィリピンでは特許庁がオフィシャルフィーの20%上昇を発表し、著作権登録申請を除き全ての知的財産権の申請費用が2015年07月01日より上昇する予定であった。しかしながら、予定日を過ぎても未だ新しい費用は発表されていない。
フィリピンではオフィシャルフィー変更の場合、当該費用の公告が求められているため、変更があり次第IPニュースでもお伝えする予定である。
[出典:Mikhailyuk, Sorokolat & Partners, Federis & Associates]
カザフスタン:特許庁引っ越し
カザフスタン特許庁(National Institute of Intellectual Property)は新しいビルに移動した。新住所は以下の通り。
National Institute of Intellectual Property of the Ministry of Justice of the Republic of Kazakhstan
Left Bank, Oryndor str., 8, Body 1, Entrance # 1, # 2.
010000 Astana
Republic of Kazakhstan
Phone +7 8 7172 74 95 80 (Reception)
[出典:Kazpatent.kz]