IPニュース IPニュース

商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2024.11.26IPブラジル:「スローガン」商標の登録を容認する新解釈


ブラジル:「スローガン」商標の登録を容認する新解釈

ブラジル特許商標庁(BPTO)は、現行のブラジル産業財産法の第124条(VII)に関する解釈を改訂する重要な方針を示した。
以前まで、同法第124条(VII)は、スローガン(単に宣伝手段としてのみ用いられる標識または文言とみなされる広告/スローガン商標)の登録を禁じていた。
しかしながら、2024年11月27日より、商標が識別力を有する独創的なものであり、かつ指定商品役務の出所を識別できるものであれば、BPTOはそのようなスローガン商標の登録を容認する方針となる。

企業への影響
この新解釈は、スローガンを商標権以外の手段で保護することの難しさやスローガンのもつ独自性の価値を再検討した結果である。
多くの諸外国の制度とブラジルの制度の足並みをそろえるものであり、独創的な表現の保護を目指す企業に広く歓迎されるものになるだろう。

スローガン商標を登録するためには
新解釈のもとでスローガン商標の登録が認められるには、スローガンは製品/サービスの広告/宣伝以上のものでなければならない。
まず、新解釈の基準では、以下のような表現は広告/宣伝であるとみなされる:
•製品やサービスの品質を宣伝するもの
•企業の使命、価値観、アイデアやコンセプトを伝えるもの
•製品やサービスの品質を広告するもの
•消費者に何らかの行動を起こすよう促すもの
•製品やサービスを競合他社と差別化するもの
新解釈の基準において、上記の広告/宣伝とみなされる要素を識別性のある要素と組み合わせたスローガンは、指定商品役務の出所を識別する機能を果たすと考えられる場合、商標としての登録が認められる可能性がある。
なお「独創性」が重要なポイントであり、非記述的かつ非広告/宣伝的な表現のほうがより登録可能性は高まる。

新方針の影響
この新解釈による変更により、企業の単独の広告スローガンや既存商標と組み合わせた広告スローガンを商標として保護することが可能となる。
スローガン商標を登録することにより、企業は第三者が類似の表現の権利を主張することを防ぎ、使用権をめぐる係争の可能性を回避できるだろう。

今後に備えて何ができるか
新解釈による大きな変化を踏まえ、現在使用中のスローガンに商標権保護の恩恵を受けられるものがないか、ポートフォリオを見直すことが賢明である。
早期の商標登録が、権利を確保し、第三者からの権利主張を防ぐために重要である。


[出典:Tavares IP]


IPニュースの定期購読

IPニュースの定期購読(無料)も受け付けていますので是非ご利用ください。
購読をご希望の方は下のボタンからお申込みください。