2025.11.26IPモルディブ共和国:商標登録制度を導入へ(続報)
モルディブ共和国:商標登録制度を導入へ(続報)
先に共有したモルディブ共和国が2026年より商標登録制度を導入する件(https://trademark.jp/ip/detail/2393)について、商標法案は2025年11月11日付で大統領により承認され、その後、官報に公布された。
商標法(法律第19/2025号)は、公布から12か月後の2026年11月11日に発効する。
関連するガイドラインおよび規則は発効から6か月以内に公布される必要があるため、商標登録制度の運用が完全に開始されるのは2027年初頭になる見込みである。
ただし、立法過程が迅速に進められたことから、必要なガイドラインが来年11月までに整備される可能性もある。
国会委員会審議の段階では、わずかな修正のみが行われ、更新期限後の6か月間の救済期間が設けられた。 同法案は全会一致で可決された。
同法の主な特徴は以下のとおりである。
•商標の定義が広く、非伝統的商標も対象
•証明商標および団体商標の規定
•優先権主張の導入(パリ条約未加盟)
•絶対的理由および相対的理由に基づく審査
•公告から3か月の異議申立期間
•10年間の登録期間(以後10年ごとに更新)
•更新期限後6か月間の救済期間
•周知商標の保護制度
•不使用取消(登録から5年経過後)
•権利侵害および模倣行為に対する民事・刑事上の救済
制度は先願主義で運用されるものの、同法には異議申立てや無効手続において先使用やコモンロー上の権利を主張できる仕組みも含まれている。
これまで新聞警告(cautionary notices)に依拠していた企業は、商標出願が可能となり次第、正式な出願の準備を開始する必要がある。
なお、従来の新聞警告を利用していた商標権者に対し12か月の移行期間を設ける可能性については情報が錯綜している。
新法には移行期間に関する記載がないため、運用面については今後の詳細を確認する必要がある。
[出典:Lysaght]