2018.07.10IPケニア:模倣品取締法改正
ケニア:模倣品取締法改正
2018年4月10日、ケニアは2008年模倣品取締法(Anti-counterfeit act)と2001年知的財産法を改正する草案を公布した。
2001年知的財産法は特許を主な対象としている。
模倣品取締法において、主な改正点は以下の通りである。
まず模倣品取締機関(Anti-Counterfeit Agency)は模倣品取締局(Anti-Counterfeit Authority)へと昇格される。これが実際にどのような意味を有するのか不明だが、ケニアにおいて通常、局(Authority)は機関(Agency)より職権が強くなる傾向がある。
ケニアに輸入される全ての商品に関する商標は、模倣品取締局にも登録されなければならない。これは義務であり、もし同局に登録されていない商標を付した商品がケニアに輸入された場合は、法律違反と看做される。
模倣品取締局への登録は、ケニアにおける商標登録が前提となる。
模倣品取締局への登録手続きは以下の通りである。
申請人は商品の製造地を明記し、サンプルを提供し、海外の使用許諾者を開示し、登録証と登録費用を提出する。商標が複数の区分を含む場合は、区分毎にオフィシャルフィーが係る。
登録は1年毎で更新可能である。
模倣品取締局は輸入品が上記の要件を満たしている場合、輸入業者に対して証明書を発行するがこれにも追加費用がかかる。
模倣品取締局はこの証明書が付されていない輸入品を差止め、廃棄することが可能である。
新法は新たな複数の違反を導入しているが、その一部は知的財産とは関係のないものであり、また一部は理解しがたい内容である。
また、登録の対象は商標であるが、改正法では「著作権、商号その他知的財産に係る全てのもの」が登録の対象となっている。
しかしながらケニアには著作権登録の制度がなく、法律がどのように運営されるか不明である。
この法律はもし実際に施行されれば、非常な混乱が起きる可能性が高く、ケニア当局が更に十分な検討を重ねることが期待される。
[出典:Spoor & Fisher]