IPニュース IPニュース

商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2018.07.24IPEU:改正著作権法草案否決


EU:改正著作権法草案否決

欧州議会は2018年7月5日、世紀の悪法として批判が多かったEUの著作権保護法案を否決した。この法案はインターネットのミーム機能(インターネットを通じて人から人へと、通常は模倣として拡がっていく行動・コンセプト・メディア)など重要機能に規制がかかるとして、米国の大手IT会社だけではなく、インターネットの自由を擁護するユーザーからも反対の声が上がっていた。

フランスのストラスブールで開催された欧州議会で、751人の議員のうち627人が投票し、反対318人、賛成278人、棄権31人で否決された。この法案の目的は、ニュース配信者の収益拡大と、Googleが所有するYoutubeやFacebookなどのテクノロジー・プラットフォーム上の著作権のないコンテンツに対する取締まりであった。しかしインターネット・ミームはSNSで情報共有・拡散の核心となるメカニズムで、禁止すればSNSは存在意義を失い消滅に繋がる。


批判の対象となっていたのは特に11条と13条である。メディア企業の収益性を損なう無料のオンラインニュースの台頭を背景に、AFPを含む主要な出版社は、第11条のニュースメディア改革を推進している。しかしそれをインターネットで著作権のないコンテンツにリンクをはる行為に課金する「リンク税」と呼び強く反対するネットユーザーも多い。

第13条はユーザーがウェブ上に置いた著作権で保護されたコンテンツについて、オンラインプラットフォームに法的責任を負うようにするもので、特に批判が集中している。
 
ポールマッカートニーをはじめとするミュージシャン、主要な音楽レーベルや映画スタジオは、新著作権保護法成立を政治家に働きかけていた。しかしこの法案は、Youtubeの基盤となる技術プラットフォームによる包括的検閲につながるとして専門家やネットユーザーは強く批判していた。ウィキペディアは、欧州議会投票に抗議して、水曜日に少なくとも3か国で閉鎖されたほどである。
 
オンラインコンテンツの無断使用を取り締まる名目で、検閲によって逆に個人情報保護が犠牲になる恐れがある。また法的措置が実行された場合、利益を得るのは巨大なコンテンツホルダーのみであり、ネットの公平性が成立しなくなる。
改正案は計画段階に差し戻され、更に検討されることになる。


[出典:IP Pro the Internet]


IPニュースの定期購読

IPニュースの定期購読(無料)も受け付けていますので是非ご利用ください。
購読をご希望の方は下のボタンからお申込みください。