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2018.10.23IP日本:マラケシュ条約を批准


日本:マラケシュ条約を批准

外務省は、日本政府が2018年10月01日にマラケシュ条約の加入書を世界知的所有権機関(WIPO)事務局長に寄託したことを発表した。日本に先駆けEUも批准したばかりである。これにより、同条約の規定に基づき、2019年01月01日から日本国内において同条約が発効する。


この条約は、2013年06月27日に世界知的所有権機関(WIPO)の外交会議において採択され、2016年09月30日には20か国目の加入が完了し、発効した。条約では締約国について、当該国がWIPO事務局長に批准書又は加入書を寄託した日から3か月後に発効することとされている(第19条(b))。
マラケシュ条約では、大きく3つの内容が定められているが、これらのうち「視覚障害者等が著作物を利用する機会を促進するため、各国の著作権法において、視覚障害者等のために利用しやすい様式の複製物に関する著作権の制限又は例外を規定すること」(第4条)を充たすためには、著作権法(以下必要に応じて「法」と略す)の一部改正が必要となる。ただ、日本ではすでに2009年、この条約の内容を先取りする形で法第37条第3項を改正していたこともあり、必要な法改正の内容は、肢体不自由者等を対象とすることを明記する程度であった。さらに、肢体不自由者等を対象に加えることについては、権利者団体からの賛同も見込まれていたことから、2013年の時点では、政府関係者からは著作権法の改正による早期のマラケシュ条約の締結を目指す方針が示されていた。
その後、関係者、公的機関、文化庁による協議を経て、著作権法の一部改正案が2018年05月25日に法律第30号として公布された。

施行日は2019年01月01日となる。改正点は主に視覚障害者等サービスの環境改善にとって、大きなものになるものと思われる。


[出典:国立国会図書館]


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