2019年01月11日、旧ユーゴスラビアのマケドニア議会、国名を「北マケドニア共和国」に変更する憲法改正案を承認した。また、ギリシャ国会は25日、隣国マケドニアが「北マケドニア共和国」に国名変更する両国政府間の合意を賛成多数で承認した。マケドニアは国名変更の憲法改正を議会で承認済みであり、両国は1991年にマケドニアが旧ユーゴスラビアから独立以降、四半世紀以上に及ぶ国名論争に終止符を打った。
「マケドニア」は元々、ギリシャ北部の地名であり、ギリシャはユーゴスラビアが崩壊して以降、27年に渡ってこの国名に反論し、多くの協議と抗議運動が続いていた。また、これを理由にマケドニアの欧州連合（EU）加盟や北大西洋条約機構（NATO）入りを拒否していた。新たな国名「北マケドニア共和国」は、マケドニア国民とギリシャ議会の承認が必要であった。
マケドニア議会の承認後、ギリシャはEUとNATOに対し、マケドニアの加盟申請拒否を取り下げる書簡を提出する。両国の議会承認を受け、NATOはマケドニアの加盟手続きを進め、EUは6月にも加盟交渉を開始する見通し。ただNATO加盟には各加盟国での批准が必要で、正式加盟は来年になるとみられる。EU加盟にも、汚職対策や法の支配の徹底など一定の基準を満たさなければならない。