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商標・著作権・特許・意匠・ドメインネームなど、知的財産権全般にわたる世界中の出来事を集約。
注目すべき主なニュースをわかりやすい記事にまとめ、リリースいたします。

2014.01.28IP韓国:改正審査基準施行 他


韓国:改正審査基準施行

韓国では改正審査基準が2014年01月01日より施行されており、その主な内容は以下の通りである。

1.簡単でありふれた標章の識別力認定要件緩和

これまで出所標識の役割を果たしていても、使用による識別力を立証できない限り、アルファベット2文字からなる標章(例:LG, HP等)は識別性なしとして拒絶されていた。しかしこのような審査は取引社会の実情を反映しておらず、企業のブランド管理の障害となってきたことから、改正審査基準では実際に使用によって特定人の商標であることが一般需要者に広く知られていて特に証明の必要がない場合、使用による識別力の立証がなくとも登録を認めるという規定を新設した。

2.使用による識別力認定要件緩和

これまで使用による識別力認定には

  1. 顕著に認識されていなければならず、
  2. 使用による識別力を認める商標・商品は原則、実際に使用した商標・商品に限る

と明示されていた。
改正審査基準では同要件を緩和し、

  1. 使用による識別力はその出所を認識できる程度であればよく、
  2. 認定対象になる商標・商品は実質的同一性を意味する

と規定した。また、使用による識別力取得の地域的範囲は、原則全国規模であることが必要であったが、商品の特性を考慮し、基礎自治体以上で知られている場合でも認める例外規定を新設した。

3. 使用意思の確認対象から「商品区分5区分以上を指定した出願」を除外

これまで「商品区分5区分以上の指定商品・役務を指定した出願」は使用意思確認対象としていたが、本規定は分割出願等で回避することができるため、その実効性について議論が分かれていたため、改正審査基準では除外された。

4.模倣商標に対する審査強化
  1. 情報通信媒体を通じて一般人が広く使用するようになった名称は流行語に該当するとし、識別力のない商標であること(第6条1項7号)、
  2. 特定芸能人やテレビ番組のタイトル等と同一・類似の商標は、出所混同・誤認を生じさせる虞がある商標であること(第7条1項11号)

に基づき拒絶されることが明示された。

5.代理人・代表者の模倣出願に対する解釈範囲拡大

従来は条約当事国の正当な権利者の代理人・代表者による模倣出願を制裁する条項の適用範囲が狭く、代理人等が第三者名義で出願したり、契約関係が不明確な時はこれを適用するのに限界があった。
改正基準では

  1. 代理人等の範囲を営業と関連して一定の合意(口頭契約含む)があった場合も含め、
  2. 代理人等が出願人と異なっていても、同規定を回避するため名義変更して出願したものに過ぎないと認められる場合、
  3. 代理人等が自らと法人格は異なるが、その所有と経営を実質的に支配している者の名義で出願した場合

は代理人等による出願とみなすようにした。


[出典:KIM & CHANG]


中国:商標法実施条例改正案公表

中国では2013年08月30日付で改正商標法が公布され、2014年05月01日に施行される予定であるが、実施条例が定まっていないため、未だ不明な点も残っている。
国務院法制弁公室は2014年01月10日、「中華人民共和国商標法実施条例」改正案を公表し、一般意見の募集を開始した。
改正案は下記のURLに掲載されており、意見募集は2014年02月10日まで行われる。


[出典:国務院法制弁公室]


ブルネイ:著作権侵害の罰則強化

ブルネイでは2013年12月04日付で2013年著作権(改正)命令(Copyright (Amendment)order)が施行され、著作権侵害に対する罰則を強化している。
当該命令において商業目的で作成された模倣品に特に対象となり、このような模倣品の製作者に対し、各模倣品について10,000-20,000ブルネイドル(8,130-16,260USD)の罰金及び5年以上の禁固又は併科となる。旧法において罰金は最大5,000ブルネイドル(4,065USD)、禁固は最大2年であった。

また、今回の命令では著作権侵害について、執行機関に逮捕状なく現場に入り、逮捕したり、デジタルデータへアクセスすることを認めている。


[出典:Xinhua news]


ブラジル:侵害対策用データベース設立

ブラジルでは行政機関、商標権者、著作権侵害及び知的財産犯罪対策協議会(CNCP)との協力連携を容易にするため、知的財産犯罪対策データベースに関するプロジェクトが決定された。
同データベースは保護商標、権利者及び代理人の情報を取集し、警察、税関、検察局等限られた機関のみがアクセスできる。
同データベースへの情報入力のため、権利人はCNCPのWebサイトからオンラインで商標登録を行い、必要情報を提出する。
将来的には職権によるレイドや差止は本データベースに登録されている権利人にのみ通知される予定であるとされるが、詳細について判明次第、IPニュースでもお伝えする。


[出典:Dannemann Siemsen Bigler& Ipanema moreira]


シリア:商標更新に関する手続の改正(続報)

2014年1月14日号においてお伝えした改正について、弊社が引き続き代理人に確認を行ったところ、更新時に区分毎に委任状は必要だが、原本は1通のみでコピーを援用できることが判明した。
これにより、委任状にかかる認証費用は軽減されることになる。


[出典:Abu-Ghazaleh Intellectual Property]


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